秦の始皇帝が、不老長寿の薬を探すために徐福という人を遠くへ派遣したという伝説は日本でもよく知られています。その目的地が蓬莱という島だったんです。蓬莱島は日本だったという説もありますが、中国の山東省にも蓬莱という場所があります。
その蓬莱の近くに、乳山市という新しい都市があります。市の人口は57万人、そのうち、百歳を超える長寿の人は45人います。2005年から、百歳以上の市民が総人口に占める割合は連続三年間、国際水準を大きく超えています。
乳山は自然環境がよかったので、昔から長寿の人が多かったのですが、百歳以上の高齢者が増えたのは、最近のことです。その理由について、18年間、百歳以上の長生きの人たちの研究をしてきた乳山市年長者委員会の宋礼夫さんは、五つのことが考えられるとしています。まずは遺伝子、そして、自然環境、さらに、社会環境、家庭環境、ライフスタイルが挙げられます。
最近、百歳以上の高齢者が増えたのは、調和の取れた社会作りを推進した結果だと宋さんはいます。乳山では人間と自然、人間と経済、人間と社会の調和を取るよう努めました。市民は皆、勤勉で素朴で、誠実で信用を守ります。また、社会秩序も整然としています。
また、乳山市は環境保全にも力を入れています。現在の森林カバー率は33%になっています。
さらに、乳山市はよい家庭環境作りを推進しています。長寿事業基金を設立して、百歳以上の市民に長寿手当てを出しています。百歳以上のお年よりの家庭はみんな円満だそうです。
長生きできる原因としては、単に栄養や衛生状態の良さだけでなく、家族環境や地域社会の安定、自然環境の良さなどが欠かせません。乳山市で百歳以上のお年よりが増えたのは、地域が調和の取れた社会環境や家庭環境を作ることに努力している結果ではないでしょうか。
(編集:東)
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