杭州は龍井茶のふるさと 茶畑が広がる
杭州紀行
杭州は昔から美人の産地と言われ、中国の四大美人の一人・いわゆる傾国の美人・西施は杭州近くの蕭山の出身です。中国では、西施の美貌は楊貴妃を凌ぐといわれています。そんな絶世の美人を輩出した地域を一度は訪れてみたいと思っていました。そして5月末、私たちは3日間にわたり、その憧れの杭州を訪れました。
龍井茶の故郷
日本でも馴染みの深い龍井茶は中国緑茶の中の代表格。杭州の西湖はこの龍井茶の故郷です。清明節前に摘まれた西湖龍井茶は日本の緑茶に近い香りで、その甘くさっぱりとした味は龍井茶の中でも絶品といわれます。何故、杭州はこんなすばらしいお茶を生み出すのか・・・私は杭州の茶博物館を訪れ、ここで美味しいお茶の秘訣を探りました。
杭州市内にある国立お茶博物館は緑の茶畑に囲まれ、その中にこじんまりの日本風の茶室が点在し、とても閑静なところです。お茶博物館のベテラン解説員・高紅さんは「杭州で美味しいお茶が生まれるのは杭州の恵まれた自然環境があればこそです。中国では"美味しいお茶があるのは高い山だけ"という諺があります。杭州は西、南、北の三方を山に囲まれ、東は美しい西湖にのぞんでいます。それに程よい湿気のある気候があって、この絶品の龍井茶が生まれるのです」と語りました。
その後、"美人"茶芸師が悠久な歴史を誇る中国の茶道を披露してくれました。茶芸師の熟練した仕草は周りの茶園の美しい景色とぴったり融合し、美味しい龍井茶は、やはりこういう自然環境だからこそ生まれのだと感じました。この"美人"茶芸師が点てるお茶を味わいながら、周囲の美しい緑の世界を眺めると、まるで仙境にいるような気分となります。こんな美しい環境に恵まれる杭州なら、絶品のお茶だけ出なく、絶世の美人が生まれるのも当然だと思いました。
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