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同じ青空の下で
   2008-04-22 14:52:18    cri

 チベットは「世界の最後の浄土」と言われています。チベットというと、まず目に浮かぶのは青い空、白い雲、きれいな山と水ですが、チベットの経済や社会の発展につれて、特に、青海チベット鉄道の開通によって、観光客が増えて、環境に影響を与えることも心配されています。

 そのことを意識しながら、CRIの記者はチベットのニンティとラサの二つの地区を訪れました。ニンティはチベットの中では標高が低い場所にありますので、植物も多いし、水にも恵まれ、「チベットの江南地方」と呼ばれています。ニンティでは、地域内の草や木を重点的に保護して生態環境の保全に努め、チベットの環境保全に大きく寄与しています。ニンティ地区環境保護局生態課の黄光耀課長は「投資を導入する中で、環境に悪影響を及ぼすプロジェクト、たとえば、紙、マッチ、セメントなどの製造工場などに対して、全面的に禁止令を出した」と話しています。

 このほか、ニンティ県では、クリーンエネルギーの利用も推進しています。ニンティ県環境保護局の温蜀拉局 長は、「われわれの地域では、メタンガスの利用を重点に、クリーンエネルギーの利用を推進している。また、役員や職員の省エネ意識も向上した。そして、太陽エネルギーの利用も一般的になっている」と述べました。

 そして、メタンガスですが、県の中心地、八一鎮から30キロ離れたところにメタンガス試行村があります。この村のメタンガス施設は2006年5月にチベット自治区の科学技術庁が投資して整備したもので、農家一戸当り3700元を援助しました。そうした資金と技術を提供したほか、野菜栽培ハウスも作りました。今年66歳のジョマラムさんは、メタンガスの使用について、「メタンガスを使うようになって、家がきれいになった。それまでは、ご飯の仕度や餌の準備などで、一日中火を焚くためにたくさんの柴が必要で、よく山にいかなければならなかった。また、室内でご飯を作るので、家の中も汚れていた。今は、大分きれいになった」と話してくれました。

 メタンガスを使うことによって、以前燃料として使われていた裸麦も節約でき、それが家畜の越冬飼料になります。また、家畜の糞尿はメタンガスの原料になります。こうして、質の良い循環ができ上がったわけです。村長のチョジョマさんは自分の家のメタンガス池の上に野菜ハウスを作って、スイカやピーマン、トマト、きゅうりなどを栽培しています。

 ラサに向かう途中、CRIの取材チームは山西省から環境保護のPR活動にやって来た人たちと逢いました。彼らはほとんど大同大学の学生で、青海省の西寧市から自転車で国道に沿って、チベットに入ったそうです。その目的は環境保護の大切さを訴えると同時に、貧しい地区の小学校を調べることでした。一番先頭を走っていた李建鵬さんに話を聞きました。

 李さんは、「よく知られているように、山西省は大気汚染がひどい場所だ。ここまできて、こちらの環境保護は比較的よく進んでいることを実感した。一番感心したのは、玉樹からここまで、使い捨てのプラスチックの袋が見つからなかったことだ。ほとんど、ネットや紙袋を使っているので、よかったと思う。また、地元の人々は水源をよく守っていて、都会のような水の無駄遣いはなかった」と語りました。

 大同大学の学生たちは途中で、一万人の署名を集めて環境保護を訴える活動を行うと共に、使い捨てのものを使わないとか、道端のゴミを拾うなど、自分たちの行動で周りに影響を与えようとしています。その中で目立ったのは、学生たちの中に60歳ぐらいの人が混じっていたことです。この人は呉宝田さんといい、偶然のきっかけから今回の自転車によるチベットの環境保護の旅に参加したそうです。環境保護を訴える意義について、呉さんは「環境保護は身近なことだと思う。青海とチベットは中国の水がめと言われ、ここが汚染されると、都会の環境はさらに悪化するだろう。都会の水は処理しないと飲めないが、ここにはあちこちにきれいな水がある。これほど恵まれた環境はみんなで保護していかなければならない」と率直に答えました。

 青海チベット鉄道の開通によって、中国はもちろん、世界でチベット観光ブームが起きています。今年1月から7月までのチベットの観光収入は去年の同じ時期より46%増えました。その一方で、チベットの自然資源や文化財への影響も無視してはなりません。チベットの各部門は、チベットの澄んだ空ときれいな水を保護するために積極的に取り組んでいます。チベット自治区の張永沢環境保護局長は「現在、主な河の水質は全部基準を満たしている。大気の面では、冬と春の砂塵が多い季節に少々基準を超えることがあるが、二酸化硫黄、窒素酸化物などはいずれも国家基準の二級以内に収まっている。ラサ市を例にすると、2000年から現在まで、大気の状況が「良好」以上の日数は95%以上だった。特に、去年は99%に達した。今のところ、チベットは世界的に見ても環境がよく保護された地域の一つだと言える」と語り、これまでの取り組みついて満足しています。(編集:東)

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