6月5日は世界環境デーでしたが、今日の話題はまさに環境と関係のあるものです。
5月29日の午後から、無錫市の水道水は黄色くにごった上に悪臭がして、飲めなくなりました。市民たちはスーパーに駆け込み、ミネラルウォーターや蒸留水、パンなどを買いだめして、大騒ぎでした。
無錫の水源地・太湖は日本の琵琶湖の面積の3倍の広さの大きな湖で、以前から富栄養化が問題となり、ここ数日高温の天気が続き、雨も降らなかったため、藍藻という藻が大量に繁殖して、湖の水を腐らせてしまいました。
無錫の水道水が夏になると、少しにおいがするようになったことを無錫の市民なら誰でも知っています。それは太湖が富栄養化して、藻が発生するのと関わっていることをもみんな昔から知っています。しかし、今回は藻の発生が特にひどくなり、水道水が想像もできないほど悪臭がしたのです。
無錫市民の話によりますと、水道水で手を洗ったら、手も臭くなってしまいます。シャワーを浴びたら、体全身が臭くなってしまい、その悪臭は何時間経っても消えません。その水道水では洗濯もできない状態だというのです。
多くの市民たちは、毎日ボトル入りのミネラルウォーターを飲んでおり、ご飯を炊く時も、スーパーから買ってきた大きなボトルのミネラルウォーターを使っています。
この問題が発生した直後、無錫市政府は急いで全国各地から専門家を招いて、連日緊急会議を開き、対応に追われました。そして、6月2日から、無錫の水道水はやっと無色無臭に変わったということです。
これは清華大学の張暁健教授のおかげです。張教授は、2005年に中国の東北地方の松花江流域で発生した化学物質による水汚染の処理作業に携わったことがあり、水質浄化について経験豊かです。張教授は、水源近くの水面で、人の手で藍藻を掬い取るほか、大量の活性炭の粉と過マンガン酸カリを投入するよう指示しました。そして、17時間のテストを経てやっと悪臭の解消に成功しました。
インターネットには今回の事件に関連する報道が沢山掲載されていますが、今回の事件は無錫ないし中国にとっていいことだという説が出てきました。経済と利益を重視するより、環境保護を重視すべきだと言うことを少なくとも無錫の市民たちに理解し、実感してもらったからです。最終的には、富栄養化が進む原因となる、下水などの処理を徹底しないと抜本的な解決にはならないかもしれません。(作成:姜平)
|