中国は農村部の人口が多い国で、13億のうち、8億が農家の人々です。これまで、都市部の人々に比べて、農家の人々はそれほど豊かではありませんでしたが、こうした状況はここ数年、変化が起きているといわれますが、これについて中部、河南省の数人の農家を訪ねました。
河南省の農家の羅伝遠さんは数年前で、東北部の大連市にある工事現場で働いていました。はるばる千キロも離れたところに出稼ぎに行くのも、お金を稼いで家計を何とかするためだそうですが、不幸なことに去年初めに、右足を鉄筋で打たれ、足の切断を余儀なくされました。建設会社側は、医療費や慰謝料を払わなかったことで、元々貧しかった羅さん一家はこの事故で更に苦境に陥りました。そのところ、羅さんは労働組合に相談することにしました。当時のことを羅さんは次のように話しました。
「このことは私自身の力では解決することはまったくできません。労働組合に頼んでよかったです。労働組合へ訴えると、一ヶ月足らずですぐに解決してくださいました。医療費などを含めて、建設会社は合わせて6万ドル余り賠償金を支払いました」
義足をつけている羅さんはこの間、改築した家で記者の取材を受けました。いま、羅さんは果物や野菜を栽培し、豚を飼育するほか、10数元の補助金を地元政府からもらえるので、生活には問題ありません。

羅さんの相談に乗ってくれた労働組合は、地元の河南省新郷県から出稼ぎに行っている農家の人々の権益を保護するため設けたものです。この一年間、大連市の工事現場で怪我をした30人の農家のために賠償金を求めました。
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