国家外匯管理局は27日、2005年上半期の「中国国際収支報告」を発表し、05年上半期、中国の国際収支の運営状況は全体的に安定し、引き続き強い総合的なリスク抵抗力を維持したとの見方を示した。同局が国際収支に関する報告を発表するのは、今回が初めて。
同報告によると、国際的な一般認識では、経常項目での比較的大きな赤字が国際収支の危機を引き起こす隠れた原因であると見なされる一方、中国の上半期経常項目黒字は673億ドルに達した。輸入支払い能力を考えると、中国の外貨準備は14.3カ月分の輸入額に相当し、十分だといえる。債務償還能力を考えると、6月末現在の外貨準備の短期対外債務に対する比率は503.2%で、国際的に認められた100%の警戒ラインを大きく上回る。償還率は2.1%で、世界公認の15%の警戒ラインを大きく下回る。全体として、ここ数年に中国で発生した国際収支危機のリスクは比較的小さいといえる。
ここ数年来、中国では短期対外債務の対外債務残高に占める割合が絶えず増加し、02年の38%から04年は49.8%まで上昇し、05年6月末現在は53.1%に達した。同報告は、全体としてみると中国の短期対外債務リスクは基本的にコントロール可能だが、短期対外債務の急速な増加には注意が必要との見方を示す。
同報告はさらに、上半期の国際収支運営にみられた主要な問題点を率直に指摘。問題点として(1)貨物貿易輸出が急速に増加する一方、輸入の伸びが相対的に鈍化したため、黒字が大幅に増加し、貿易摩擦がたびたび発生した(2)対外貿易の質と効率のさらなる向上が必要で、高エネルギー消費、高汚染の製品は引き続きコントロールすべき(3)外貨準備が急速に増加したため、通貨政策、インフレ、資産価値のバブルなどへの影響に注意する必要がある??ことなどを挙げた。
同報告の予測によると、下半期の国際・国内経済は全体として安定的に推移し、中国の通年の国際収支は引き続き大幅な黒字を維持し、外貨準備は急速に増加する見通し。経常項目黒字は上半期の上昇傾向を受け継ぎ、資本・金融項目の黒字の伸びは鈍化する可能性がある。
外匯管理局が同報告を発表したねらいは、国際収支の全体的状況に対する社会各界の理解や、国際収支データの分析、国際収支運営状況の分析に役立てることにある。同局は今後半年に一度をめどに、こうした報告を発表するとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」
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