現在、中国では、猫や犬などのペットや小動物を飼う家庭が多くなりました。しかし、これらの小動物を楽しむなら、それによって、もたらされる疾患の予防に気を配らなければなりません。
今年60歳の秦亮さんは、呼吸困難になることがたびたびありました。病院へ行って検査をすると、肺の部分に炎症があって、血液から鳥類と関連する抗原が検出されました。その原因は秦さんの家で飼っているインコにあることが分かりました。インコの毛の中に真菌がよく潜りこんでいて、インコが飛ぶ時その真菌は空気の中にまき散らされ、秦さんの肺に入り、炎症を起こしていたのです。
秦さんと同じ様な体験した人々は多いのです。人間の感染する100種類あまりの病気は家庭で飼う動物と関係があるとこのことです。そのうち、狂犬病やインコ熱など20種類あまりがよく知られています。
これについて、中国疾病予防センターの研究員汪誠信さんは「医学の角度からいえば、ペットによる疾病は主に伝染病です。つまり人間と動物が共にかかる病気で、動物によって人間に伝染するものです。これらの病気は人間の健康を大いに脅かしています。例えば、2003年、主にアジアの一部の国と地区で発生したSARS・新型肺炎は動物によってもたらされた可能性が強いのです。また、東南アジアの一部の国で、鳥インフルエンザのため死亡した人もいます。」と話しました。
動物が病気を人間に移すルートは大体4つあるというのが中国疾病予防センターの研究員尚徳秋さんの見方です。
「その伝染は呼吸や、消化器、皮膚の粘膜、昆虫の吸い血などの4つのルートがあります。」と尚さんは話しています。
呼吸によって伝染する疾病にはインコ熱がもっとも典型的なものです。その主な症状は高熱、咳、胸痛みがあり、重ければ、肺炎になることもあります。インコ熱はその他の鳥類および鶏、アヒルなどによって、伝染することもあります。潜伏期は短いのは数時間で、長いのは3週間にも達しています。
そして、消化器疾病の代表は腸チフスです。主に動物の糞で汚染された食べ物と水を口にして感染します。また、一部の人が動物とキスしたりして、伝染する可能性もあります。
皮膚の粘膜による感染は主に狂犬病です。狂犬病ウイルスに感染した猫や犬などの動物が口と爪で人に傷をつけたとき、人間に伝染するのです。
さらに、昆虫を通じて、人間に伝染するもっともひどいのは、ペストです。猫や犬がペストのウイルスを持つねずみを食べても発病しませんが、そのウイルスは動物の体内で生きることができ、のみなど吸血する昆虫によって、人間に伝染させます。
これら疾病の感染を予防するにはまず、家庭と個人の衛生環境をきれいにすると同時にペットと密接な接触をしないことです。また、対象的に狂犬病などの予防ワクチンを受けることも大切です。
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