北京市がこのほど発表した統計によりますと、2004年北京のハイテク産業が400億元近い収益をあげています。これは北京市経済総量の1割を占める数字です。今、北京市のハイテク製品の市場競争力が強くなっています。これは北京市がハイテク産業の発展のため、資金、技術、人材などの面で良好な環境を整備したことによるものです。今日は、北京のハイテク産業の急速な発展についてご紹介します。
今から10年ほど前中関村にある企業の主な仕事は、海外から輸入した電子製品の部品を組み立て、消費者に売ることでした。もちろん当時は、研究開発をする能力はありませんでした。しかし、この10年の発展を経て、昔、電子製品を売るだけの商業街は、すでに中国最大の科学技術エリアのひとつ中関村ハイテクパークへと進化しました。多くの企業はもともと、海外のパソコンや、携帯電話などの電子製品を組み立てる生産ラインなど、従来からある能力を生かし、独自に研究開発を進めるハイテク企業へと変化を遂げました。これらの企業が研究開発した製品は、国内での売り上げが好調なだけでなく、海外市場でもその名を知られています。
ハイテク産業の発展を支えるため、北京市は一連の優遇政策などを実施しています。たとえば、国内外の企業が北京で研究開発機構を設置する際の支援や、ソフトウェア、バイオテクノロジーなどの分野の企業に対しての免税措置などを実施しています。
北京市科学技術委員会の李石柱委員は、「北京市がとった優遇措置により、ハイテク産業、特に独自の知的所有権を持つハイテク産業の発展を加速させた」と述べたほか、「ここ数年、北京市の知的所有権を持つ産業の発展は目覚しい。具体的には情報産業でもっとも核となるチップを製造する技術を開発した。今はすでにデジタルカメラ、携帯電話用のIC(アイ・シー)チップなどを独自に開発することができた」と紹介しています。
韓国のサムソンが製造する携帯電話は、中国の若者にとても人気があります。サムソンの携帯電話に使われているマルチメディア・チップは、中関村にあるブイアイマイクロという会社が研究開発したものです。ブイアイマイクロ社には、さまざまな形や大きさのチップが展示されています。これらのチップは国内外の市場で売り上げを伸ばしており、特にパソコン用のチップは世界市場でのシェアが60%以上に達しています。これらのチップはとても小さく、携帯電話やデジタルカメラの一部として使われていても、あまり目立たない部品ですが、チップは電子製品のもっとも重要な部品です。
ブイアイマイクロ社の張暉総裁は、「会社を設立して5年、独自に研究開発したデジタルマルチメディア・チップを市場に出し、また大規模な生産を実現した。実は、会社を設立した当時から、チップの研究開発を非常に重視してきた。現在海外で専売特許を300以上を持っている」と紹介し、さらに「最初から知的所有権の保護を重視し、核心的な技術力をあげ、競争力に対応できる体制を強化している。デジタルマルチメディアチップへの需要は毎年増加している。チップを絶えず開発していくことは、製品一つ一つのレベルアップを推進できる」と話しています。
北京市のハイテク産業発展のプロセスで、中関村科学技術エリアは重要な役割を果たしています。多くの海外の投資家や留学経験者が中国で起業できるよう、中関村科学技術エリアは北京市政府の支持で、多くの優遇政策を実施しています。中関村科学技術エリア管理委員会の趙慕蘭委員は、「今、毎年多くのハイテク関連の中小企業が誕生している。そのうち多くは留学経験者が創業した企業だ。中関村にある企業の科学技術力も絶えず高められている。2004年、中関村の収益は北京市ハイテク産業の総収入の80%を占めている」と紹介したほか、「2000年、中関村の企業の生産高は、北京市全体の13%しか占めていなかった。2004年は18%近くまで占めるほどに成長した。北京市の経済総量が高いことから見ても、中関村の発展が早いことを表している」と話しています。
ハイテク産業の急速な発展は、同時に関連産業の発展も促し、ほかの産業のレベルも引き上げました。北京市科学技術委員会の楊偉光副主任は、「ハイテク産業の発展は、北京市の経済発展でもあり、ますます重要な役割を発揮するだろう」と語り、「ハイテク産業の発展は、まず産業構造の調整を促進することができた。北京市の産業は伝統的な産業から知的で技術密集型を特色とする産業へと移行した。経済面では、経済成長を持続し、北京市の建設に良好な経済基盤を作り出した」と示しました。
楊偉光副主任は、さらに「これから北京は情報技術を重点的に発展させ、さらに環境保護効果のあるエネルギー利用や、バイオテクノロジー、ハイテク産業の成長を高めていく。将来的にハイテク産業を北京市経済の発展の原動力にする」と語りました。
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