結核は古くからある伝染病です。昔、世界範囲で感染が広がり、多くの人々が結核で死亡した歴史もあります。1950年代に誕生した新しい薬によって、結核の感染をコントロールすることができましたが、近年様々な原因で、結核の感染が再び広がり、世界的に深刻な公共衛生問題にもなっています。
結核は結核菌にって起こる慢性伝染病です。なかでも肺結核がもっとも多く、一部は伝染性があります。患者のくしゃみやせきなどによって、健康な人が結核菌を肺に吸い込んだ場合、感染する可能性がありますが、人間にはある程度の抵抗力があるため、すべての人が感染するとは限りません。統計によりますと、1人の結核患者から1年で10人から15人が感染するというデータがあります。
現在、中国には肺結核患者が450万人ほどいます。この数字はインドに継ぎ世界第2位です。このほか、毎年中国の肺結核患者は140万人余り増えている状況で、感染をコントロールし、国民の健康を保つため、中国政府はすべての伝染性肺結核患者に向けて、無料で治療を施しています。
中国衛生省の王隴徳次官は、「ここ数年、政府は結核をコントロールするための資金面を拡大している。以前は毎年4000万元(日本円で5億2千万円相当)だった予算が、2004年には2億6千5百万元(日本円で34億4千5百万円相当)、6倍近い予算をあてるようになった。これらの資金は治療を受けている肺結核患者の薬代や、健康教育など様々な面に使われている」と紹介しています。
農村部では健康意識や衛生環境がよくないため、2004年、政府は全国で結核を含める伝染病の報告システムを確立し、即時に患者を発見、治療することが可能になりました。
それとともに、中国はイギリス、日本、世界銀行などの国や国際機構と結核予防や治療分野で協力を行っています。例えば、世界銀行の貸付金を利用し、河北省、新疆、内蒙古など16ヶ所で結核をコントロールするためのプロジェクトを展開しています。
中国衛生省の王隴徳次官は、「結核予防は、すでに一定の成果をあげている。2004年末までに、伝染性肺結核患者の平均回復率は91.6%に達し、WHO(世界保健機関)の出した85%という目標を上回っている」と話しています。
ただ、一定の成果を上げたにもかかわらず、資金不足や人材不足などの問題を抱えています。これから中国は引き続き国際社会と協力し、結核対策を進めていくことになります。
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