ワー族 ラフ族 プーラン族
では、一体誰が最初に茶の木の効用に気づき、茶の木を植え始めたのでしょうか。
中国の学者は、彼らは古代、南方で生活していた「プー人(濮人)」、つまり、今日のプーラン族、ワー族、ドアーン族、ハニ族の先祖だと見ています。
世界唯一の過渡型の茶の木とされた、雲南省瀾滄県バンウェイ(邦崴)にある茶の木は、樹齢1000年の古木です。ちなみに、バンウェイは歴史上、ワー族、プーラン族、ラフ族の生活地域でしたが、今も、ラフ族、ブーラン族と漢族が入り混じって生活しています。
学者・黄桂枢先生の紹介によれば、このバンウェイの茶の古木の持ち主を調査するため、考古学者は古木の周辺を発掘してみました。その付近から、3000年前の磨製石器が出土し鑑定の結果、これは濮人の生活器具だったと判明しました。
ちなみに、プーラン族の言い伝えでは、茶の木は彼らの先祖・ビョアーレンが残した財産です。ビョアーレンが死ぬ前に、一族に向かって、「私の死後、金と銀を残しても、使いきる時があり、馬や牛、家畜を残しても、いつか死んでしまう。だから、おまえたちに茶の木を残すことにした。茶の木さえあれば、子々孫々が衣食足りて生活できるだろう」との遺言を残したそうです。そのため、今、瀾滄県内では、広々とした古代の茶畑が残り、また、プーラン族の集まり住むところには必ず茶畑に取り囲まれるようになったそうです。ビョアーレンの手植えしたといわれる茶樹は、千年以上の月日が経ちましたが、今も毎年、新芽が出てくるそうです。
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