春は元々原油需要のシーズン・オフです。国際原油価格はこの時期は通常弱含みです。しかし今年の状況は異例で、3月から原油価格は下落ばかりか、高騰しており、4月4日史上最高値を記録しました。ニューヨークとロンドン市場の原油価格はそれぞれ一バレル当たり58.28ドルと57.65ドルに達しました。
価格は主に需要と供給関係により決定されるものです。世界経済の持続的発展や石油輸出国の生産量がすでに極限に近くなったため、供給関係が緊張し続けています。
世界経済は去年の急速な成長を経て、今年は引き続き速いスピードで増加するでしょう。これにより、先進国であろうと、発展途上国であろうと、その原油の需要量は必ず大幅に増加します。この前、国際エネルギー機構は今年の世界原油需要量を毎日8430万バレルに高めました。アメリカはエネルギー消費が最も多い国です。アメリカエネルギー省はこのほど発表したガソリン需要量は去年同期より2%増えました。
一方、OPECやその他の石油生産国はほとんどエンジン全開の状態で、原油加工力も極限に達しています。アメリカエネルギー省が発表した統計によりますと、アメリカの製油工場の操業率は93.7%に達したとのことです。
そのほか、大規模な市場投機行為は原油価格の上昇を助長しました。原油の採掘価格は現在平均して一バレル10ドルぐらいです。中東地区のコストはもっと低いです。現在毎日世界の原油需要量は凡そ8400万バレルで、原油市場の取扱量は1億2000万バレルから1億6000万バレルまでに達しています。投機は原油価格をそのコストの数倍にもオーバーさせました。そのため、原油市場は投機がもたらされるリスクと圧力を受けなければなりません。
世界の重要な産油地域である中東情勢の不安定、国際テロリズムによる石油施設への脅威、原油の地質的枯渇、石油に代わるエネルギーが近いうちに現れる可能性がないなどの要素は原油価格を高騰させています。専門家は、低原油価格の時代はもう永遠に過ぎ去り、国際原油価格は長い時間内に高い価格を保持していくだろうと見ています。有名な投資銀行であるゴールドマン・サセックスは3月末、「現在国際原油市場は価格の高騰期に入った。最終的に一バレル105ドルにあがるだろう」と予測しました。
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