中国の憲法、選挙法と他の関連法律の規定によりますと、政治的権力の終身剥奪の場合を除き、満18歳になった中華人民共和国の公民は、民族、人種、性別、職業、出身家庭、宗教、学歴、財産、居留期限を問わず、選挙権と被選挙権を持ちます。各地方クラスの人民代表は民主的な選挙によって選出されます。そのうち、県クラスと郷クラスの人民代表は選挙区別で選挙民によって直接選出されます。選挙区は、居住地、或いは、生産部門、事業部門などによって画定され、選挙区ごとに1名から3名の人民代表が選出されます。全国クラスや省クラス、市クラスの人民代表は、その下級クラスの人民代表大会によって選出されます。この選挙制度は通常、間接選挙といいます。直接選挙の場合、代表候補者はそれぞれの選挙区で指名されますが、間接選挙の場合、代表候補者はそれぞれの選挙部門、すなわち同じクラスの人民代表大会で候補者に指名されます。

　各政党や人民団体が選挙に参加する場合、合同で或いは個別に代表候補者を推薦することができます。また、10人以上の選挙民または代表の場合、連署によって代表候補者を推薦することも可能になります。候補者は代表の定数より多くなるので、中国では差額選挙と呼んでいます。選挙はすべて無記名投票で実施します。投票者は、賛成票と反対票を投じるほか、候補者以外の人を指名してもいいし、棄権の自由もあります。また、直接選挙の場合、選挙区における選挙民全員の過半数が投票に参加すれば、選挙は有効となり、候補者は、そのうち過半数の賛成票を得られれば、人民代表に選ばれます。間接選挙の場合、候補者は代表全員の過半数の賛成票を獲得すると、人民代表に選ばれます。

　全国人民代表は最高国家権力機関の構成メンバーで、地方の各級人民代表は、地方の各級国家権力機関の構成メンバーとなります。代表は、次の権利を享有します：

1） 人民代表大会の開催期間中、大会の全体会議、代表団の全体会議とグループ別会議に出席し、各項目の活動報告と議案を審議すること。

2） 法定の手順に基づき、議案や各方面の活動提案を出すこと。

3） 各選挙や候補者の指名に参加すること。

4） 法定の手順に基づき、関連の政府機関に質問し回答を求めること。

5） 法定の手順に基づき、関連の政府機関の職員の罷免案を提出すること。

6） 表決に提出する議案を自由に選択すること。など。

　代表の義務は次のとおりです：

1） 模範となって憲法と法律を遵守し、国家秘密を守り、憲法と法律の実施に協力すること。

2） もとの選挙区の選挙民あるいはもとの選挙部門と人民大衆と緊密な連絡を保ち、その意見や要求を聴取し、それを上級部門に伝達すること。

3） 人民のために尽くすこと。

4） 同じクラス政府の諸活動に協力すること。など。

　全国と地方の各級人民代表大会の代表は、もとの選挙区の選挙民ともとの選挙部門の監督を受けます。