イラク国民議会選挙は二日間後の３０日に行われることになります。これは戦後のイラク政治プロセスで非常に大きな出来事であり、また、国際社会から幅広く注目されることでもあります。人々はイラク国民議会選挙が予定通りに行われ、イラクの政治や経済の再建に条件を作り出すよう期待しています。

　去年採択された「暫定憲法」に基づいて、今回の選挙は275席の議席を有する暫定議会議員を選出し、又これを基礎として暫定政権を樹立することができます。また、恒久的な憲法を制定し、来年の年末に正式な議会と政府の選出に基礎を築くことになります。そのため、今度の選挙はイラクの政治再建のプロセスで過去を受け継ぎ、未来を切り開く役割を果たしているだけでなく、「イラク人によるイラク自治」や国の長期的な安定ということが早期に実現できるかどうかにかかわっているのです。

　今度の選挙が予定通りに行われることを保障することはイラク国内主流政治勢力の共通した認識だといえます。イラク統治評議会のヤワル議長とアラウィ首相は国民議会選挙が予定通りに行われる希望を表明しました。それと同時に、今度の選挙は国際社会の支持を得ました。国連のアナン事務総長も選挙に積極的に参加するようイラク国民に呼びかけました。アナン事務総長はまた、「現在、イラク国内の情勢はそれほど理想的に進んでいないだが、大多数のイラク国民が投票に参加する意向を示し、民主的権利を行使する希望を表した」と述べました。

　今、相次いで発生している暴力襲撃事件は選挙に影響を及ぼす可能性のある最大な妨害です。

　イラク国内の各武装勢力はこのほど、選挙妨害を狙った各種テロ事件を引き起こし、安全情勢を脅かしています。このような情勢の下で、有権者が自分の意向を自由かつ公正に表すことができるかどうかが楽観視しないことです。この他、イスラムスンニ派の主要政党は選挙をボイコットしたことで、今度の選挙の結果は広範的な代表性があるかどうかについて疑惑を抱くでしょう。

　一方、一部の積極的な要素で今度の選挙の成功に希望も持てます。例えば、選挙が予定通りに行われることを保障するため、イラク統治評議会は一連の厳しい安全警備対策を講じました。これに対してアラウィ首相は「イラク統治評議会は投票所の安全を保障する能力があるので、有権者は安心して投票活動に参加することができる」と強調しました。また、イラク暫定内閣のラティフ国務相は「イラク１８州のうち、14州の情勢は平静である」と指摘しました。

　指摘しなければならないのは、当面、悪化しているイラク情勢はアメリカをはじめとする多国籍連合軍の占領によるものです。占領が終結しなければ、反米武装勢力の闘争は止まらなくなります。一方、相次いで発生したテロ事件はイラク国民に苦難をもたらし、一般の民衆は最大な被害者となりました。そのため、イラク問題を根本的に解決する方法は多国籍連合軍のイラク占領を終結させ、イラク国民に主権を移譲することです。今度の選挙もこの目標を実現するため踏み出した重要な一歩です。