韓国とロシアは1994年に、建設的な相互補完のパートナー関係の発展を宣言しました。今回の会談のあと発表された共同宣言の中で、双方は両国関係を「相互信頼の全面的パートナー関係」と改めて位置づけ、新しい世紀に両国関係の全面的発展を促進させるという両国の決意を示しました。

　双方は、エネルギーや宇宙技術、通信分野で互いに協力を強化することで合意し、一連の協力文書を締結しました。これによって、ロシアは、衛星打ち上げ技術や、宇宙飛行士の養成などで韓国を支援し、また、両国はシベリアの東部や西部の油田を共同で開発することになりました。今回締結された両国の契約は取り決め総額が40億ドルに上るとのことです。

　注目されるのは、プーチン大統領とノ･ムヒョン大統領はシベリア鉄道と、朝鮮半島を貫く鉄道の接続を積極的に推し進めていくと改めて表明したことです。ロシア、韓国、朝鮮の三国の関係専門家は今年4月、関連工事の実際の問題について初めての三者協議を行いました。ロシアと韓国の指導者が今回示した姿勢は、この事業の推進に役立つとみられます。鉄道の接続は、この三国の経済発展にプラスとなるだけでなく、朝鮮と韓国の協力強化や、朝鮮半島の非核化に対しても大きな影響力を持つと考えられます。

　プーチン大統領はノ･ムヒョン大統領との会談後、記者会見し、六ヶ国協議の再開を求め、朝鮮と韓国の関係改善に努力する用意があると表明しました。これは、朝鮮半島核問題の解決でより一層積極的な役割を果たそうとするロシアの姿勢を表すものだと見ることができます。

　プーチン大統領が就任して以来、ロシアと韓国の関係は日増しに密接になっています。朝鮮や韓国との関係の発展にしたがって、ロシアは朝鮮半島問題でより大きな役割を果たし、この地域の安定に積極的な影響を及ぼしていくとみられます。