2004年「ボアオ・アジアファーラム」の年次総会は24日中国南部の海南省・ボアオで開幕しました。

今度の年次総会のテーマは「共に利益獲得するアジア、世界に開かれたアジア」です。この年次総会には35の国や地域の1000人余りの政府要人、企業家、学者が出席し、中国の胡錦濤国家主席が開幕式で基調演説を行いました。

演説で、胡錦濤国家主席は中国の発展戦略を述べると共に、今後中国が政治、経済、文化、安全などの分野でアジア各国と協力を強化する具体的な措置を明らかにしました。

ボアオ・アジアフォーラムは3年前に設立された、民間主導による組織です。アジアの各国政府や経済界のリーダー、それに専門学者たちに対話の場を提供し、各国間の近隣友好関係を強化し、そして、アジアの国々がの共同して発展することを推し進めるのがこのフォーラム創設の主旨です。

中国の胡錦濤国家主席は開幕式で「中国の発展、アジアのチャンス」をタイトルとする基調演説を行いました。その中で、胡錦濤国家主席はまず、中国の発展戦略を述べました。「中国は今世紀初めの20年間の奮闘目標をすでに明確に制定した。すなわち、2020年までにGDP・国内総生産を4万億ドル、一人当たりのGDPを3000ドルに達するようにする。また、経済成長、民主の健全化、科学教育の進歩、文化の繁栄、社会の安定、国民生活の豊かさを更に高めることを図っている」と述べた後、「この目標を実現させるため、われわれは人を本とする、全面的、協調的、そして持続可能な発展の道を堅持していくことを強調しました。

中国の発展とそのほかのアジア国家との関係について、胡錦濤主席は「中国の経済成長はアジアの発展に重要なチャンスをもたらした。中国は世界で潜在力の最も大きな市場である。この25年来、中国の市場は、ますます成熟しつつあり、今は世界で３番目に大きな輸入市場、また、アジアで最大の輸入市場となった。ここ数年、中国はアジアの国や地域への直接投資が年平均して20％の速度で伸びている。中国の発展に伴い、中国経済もまた、アジアの経済との融合がいっそう深まり、互恵、互利、相互補完、相互扶助という新たな協力関係が築かれていくだろう」と述べました。

また、胡錦濤主席は「中国はアジア各国との全面的な発展、緊密な協力というパートナー関係を発展させていくことを真心に望んでいる。また、アジアの共同の振興を実現させるため、政治面では平等で、互いに信頼しあい、経済面では共に利益を獲得し、また、文化の面では交流を行い、安全保障の面では、対話と協力を行わなければならない」と述べました。

胡錦濤主席は演説を行った後、記者からの質問に答えました。中国経済が全体的に良好な発展の勢いを呈している下で現している問題に対して、胡錦濤主席は「マクロ調整を強化、改善し、また、市場メカニズムの役割を十分発揮すれば、中国経済は必ず長期的に良好な発展を保っていくことができる。また、アジア地域更に、世界経済に貢献していくことができるだろう」との考えを示しました。