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(GMT+08:00) 2003-12-30 20:12:58    
日本はなぜ相当規模のイラク債務の放棄に同意したのか

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日本の小泉純一郎首相は29日東京で、イラク債務問題担当のアメリカ大統領特使、元国務長官のベーカー氏と会談し、「パリクラブのほかの加盟国がイラクの債務を減免することを前提に、日本も「相当規模」のイラク債務を放棄するつもりである。」と指摘しました。

 ベーカー大統領特使は会談後の記者会見で、日本政府のこの決定に賞賛の意を示し、「イラクの再建問題をめぐって進展を遂げたが、今後、日本がイラク債務を具体的に削減するいいニュースを聞きたい」と強調しました。これまで、日本は債務の返済期限を伸ばすことができるが、減免はできないとの姿勢を表明していましたが、現在、日本はなぜ放棄しようとしているのでしょうか。

 イラクは1200億ドルに達する外国からの借款を抱えています。そのうち、パリクラブ加盟国への滞っている債務は約410億ドルあります。日本はパリクラブ19の加盟国の中で、主なイラク債権国のひとつで、貿易担保と日本円借款など合計41億ドルを持っていて、返済遅延損害金を加えた総額は約70億ドルにのぼります。これより先に、日本政府はイラクの再建を支援するため、すでに自衛隊の派遣と50億ドルの資金援助を決定しました。ですから、日本国内では「イラクへの債権を放棄する」とのアメリカの要求に、多くの人が不満を表明しています。これに対して、日本外務省は、もしイラクに対する債権も放棄したら、湾岸戦争のときの130億ドルの出資とほぼ同じとなり、日本はあまりにも多すぎると見ています。

 世論は、日本が立場を変えた主な原因は、ベーカー大統領特使が今月中旬に行ったフランス、ドイツ、イタリア、イギリスとロシアに対する歴訪にあるとしています。ベーカー氏は今回の歴訪で、これらの国がイラクの債務を大幅に削減することに同意するように成功裏に促しました。特に、イラク戦争に反対するフランスとドイツ両国は、パリクラブという枠組み内で、「実質的に」イラク債務を減免すると同意しました。もし、日本が引き続き元の立場を堅持していくならば、この問題でアメリカとの協力を拒否する印象を残すことでしょう。

 また、次に、IMF・国際通貨基金の推計によりますと、イラクの前フセイン政権の外国からの借款総額は1200億ドルに達し、このうち、1991年の湾岸戦争の1000億ドルの戦争賠償は含まれていないとしています。国内総生産がわずか250億ドルの国にとっては、このような巨額の債務を耐えられるとは考えられません。この債務はイラクの戦後再建を脅かすだけでなく、さらに債権者の直接的な利益に影響しています。日本はイラクに対する債権を放棄しなくても、このような「不良債権」を取り返す方法はないでしょう。

 第三に、日本がイラクへの債権を放棄するのは、大きな利益への考慮からなのです。アメリカ軍方面の予算専門家によりますと、イラクを再建する費用は1000億から5000億ドルに達するとしています。イラクは大量の石油資源を持ち、再建を待っていることから、各方面は大量の建設投資を必要としています。イラクが再び政治が安定して、良好な投資環境を備えるようになるとしたら、中東地域での最大の外資の投資目標となる可能性があります。日本は石油戦略からも、イラクの潜在市場の見通しからも、現在の一部の債権を放棄するのは、将来の更なる大きな利益を獲得するためなのでしょう。(12/30)