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10年後の中国、結婚出来ない男は3千万人に(後篇)

2011-09-09 15:58:38     cri    

 このほど行われた中国の第6回国勢調査によりますと、男女性別の出生率は118に達したことが分かりました。つまり、100人の女性が生まれることに対し、118人の男性が生まれることになるということです。すると、10年後の2020年、中国では、お嫁さんがもらえない男性は3000万人から4000万人近くに達し、大きな社会問題を引き起こすのではないかと見られています。

 10年はあっという間に過ぎてしまいますので、3000万人の結婚出来ない男、いったいどんな情況になるのか、気になります。実はこれについて、最近インターネットや中国版ツイッターのミニブログ(Weibo.com)では、いろいろな議論が巻き起こっています。今日はいくつか、かいつまんでご紹介しましょう。

 ひとつは「母系社会がようやく到来してよかった」という楽観論です。男性が余って、女性が少なくなると、女性の価値が向上するというものです。すると、家庭でも社会でも特権を持つにようになり、女性の社会地位もどんどん上がっていくのではないかというものです。

 また、一部のネットユーザーは、「結婚」は人生の必須条件ではなくなると見ています。つまり、結婚しない人生もより多くの人に受け入れてられ、家族を作ることより、一人暮らしが新しいトレンドになるのではないかという意見です。これは望むというより結果的にそうなるということなら理解ですね。確かに現代社会では、一人でも気軽に暮らすことが出来ますけど、家族がなく孤独に暮らすのは寂しいような気もしますね。

 また、もっと大胆な意見もありますよ。女性が少ないため、男性の同性愛者が次第に増えて、合法的になるのかもしれないという意見です。女性不足は同性愛者の結婚の合法化を促すきっかけになるのではないかという声もありますよ。

 それから国の経済発展からの考えもたくさんありますよ。3000万人もの余った男がいれば、労働力の輸出を促して、これらの余った男を余剰労働力として外国へ輸出し、国や外国の経済建設に役立つほか、外国人の女性との結婚もできるという一石二鳥の考え方です。中国人の男性は結婚しても、料理や買物などの家事の手伝いをするのに慣れていますから、外国の女性にもてるかもしれませんね。女性にやさしい外国人男性が増えると日本人男性のプレッシャーが増えますね。

 また、一部の男性たちの書き込みも面白いですよ。嫁がないと悩んでばかりいるより、男性同士が一緒に集まって、トランプしたり、ボウリングしたり、テレビゲームをやったりして、女性たちの愚痴を聞くより、男性同士の友情はもっと信頼に値するという意見です。

 あくまでも、これはインターネットやミニブログでの冗談です。でも、みんな未来へのあいまいとした不安がうかがえます。10年後に3000万人の結婚出来ない男、これはたぶん回避できない事実です。でも、もっと重要なのは、男女の出生比率の差をどのように縮めて、このような傾向に歯止めをかけることです。根本的なのは、やっぱり男尊女卑の考えを捨てることですね。女性の社会地位を高めて、女性の教育や就職の権利を確保しなければなりませんね。

 いま、全国で24の県では「女児への愛」というプロジェクトが展開されています。女の子が生まれた家庭に、その両親は60歳になると、それぞれ600元の賞金がもらえるということです。両親1人ずつ600元なら、1200元(日本円でおよそ14000円)になりますね。貧しい農村地区では、大金です。これは農村部で、女の子を産んだ家庭の不安をなくすための措置です。中国では、女の子が生まれたら、結婚して他人の嫁になり、両親の養老には何の役にも立たないという古い考え方がまだまだ残されています。ですから、妊娠中、女の子だと分かったら、中絶したりする人が大勢いるということです。

 中国で妊娠検査の時、胎児の性別を言ってはいけないという医者へのルールがありますが、農村部では、男の子がほしい人は不法な医療機関で胎児の性別を確認したりしています。ですから、先月の16日から国家人口計画出産委員会や公安省、衛生省など6部門は合同で「不法な胎児の性別確認への取締活動」を開始しました。

 男であれ、女であれ、健康な赤ちゃんが生まれることが何よりです。3000万人の男性が余ってしまう。これをザッと聞いて、女性としては正直、ちょっと嬉しいですが、いろいろな社会問題を考えると、やはり深刻です。男女割合の格差拡大、この問題を解決するには、いろいろな知恵が必要ですね。(つづく 「イキイキ中国より」)

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