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中国の「戦略的新興産業」とは?

2010-12-08 11:26:19     cri    

暮らし・経済へ

 中国ではこの2,3年、「戦略的新興産業」という言葉がよく聞かれています。省エネ、環境保護に関する新技術、バイオ産業、新エネルギー、ハイテクを生かした設備製造業などが含まれています。そういった産業は、すべて技術集約型のものであり、資源の消費量が少ない上、利益が大きいというところが共通しています。われわれ一般の人間からすると、どうもハイテクっぽくて、日常生活に遠いような気がするかもしれませんが、実際は、そうでもないようです。

 先月末、中国の深センで、第12回中国国際ハイテク成果交易会が行われました。49の国と地域から2000社以上の企業が出展し、その新たな技術や製品をアピールしました。その期間中、中国国家発展改革委員会の譚遂さんは、中国の戦略的新興産業について、次のように話しました。

 「戦略的新興産業と聞くと、かなり高度な技術を使った設備とか、奥深いものだろうと思う人が少なくないようですが、実は、その多くは、私たちの普段の生活に密接にかかわっているのです。たとえば、今回展示されているジョギングマシンですが、中には発電機が仕掛けられていて、走りながら、携帯電話あるいは音楽プレーヤーに充電することができます」

 電子ブックを読むための端末機、電子ブックリーダーを開発している中国の会社・漢王科学技術有限公司はこのほど、新製品を開発しました。交易会に参加した同社の社長助手、陳亜さんの話です。

 「今年の年末に全世界に向けて発表する予定です。雑誌の読者のために、画面が今までよりも色豊かな電子ブックリーダーを作りました。しかも、画面の大きさは世界一。わが社の電子ブックリーダーの販売量は去年末、日本のソニーを超え、アメリカのアマゾンに次いで世界第2位になっています」

 その電子ブックには小説なら何千、何万冊の内容も入るので、1つ手に入れれば、本棚などは要らなくなります。それに、何千、何万冊の本を印刷しなくて済むことになるため、省エネ、環境保護にもなると見られています。

 中国は長年続けて、経済の急速な成長を実現していますが、そこには、大きな資源の消費、および環境への被害が伴ってきたといわれています。いわゆる資源集約型、それに労働力集約型でもありますが、そんな産業が中心でした。しかし、これから長期的、しかも安定に成長するためには、そのままではいけないと政府が考え、経済構造の調整、成長パターンの転換などという方針を打ち出しました。この戦略的新興産業を発展させるのも、その1つだと思います。

 ただし、中国の場合、産業構造の転換が始まったばかりで、特に新興産業を行う中で、企業のほうに、研究開発の資金が不足したり、研究と市場開発が予想より時間がかかったりすることがあるようです。これを受けて、政府は、資金と政策の面でサポートするとしています。

 いま、世界的に、持続可能な成長というのが強調されていますが、その中身を見ると、省エネや新エネルギーの開発利用など、実は中国の戦略的新興産業とほぼ同じものなのです。近年になって、注目度が高くなってきたものであり、多少、先進国のほうが先を行っているかもしれませんが、やっぱりまだまだ未熟のようです。ですから、世界各国、みんなで協力し合って、取り組んでいくことが必要に思われます。なんといっても、人類全体のためですからね。(鵬)

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