中国の研究者、新たな3次元リチウム負極立体枠組み構造を創出

2023-06-06 13:17:59  CRI

 中国科学院近代物理研究所によると、同研究所材料研究センターの研究者が北京航空航天大学の研究者と共同で、核追跡技術を利用して新たな3次元リチウム負極の立体枠組み構造を作り出しました。この研究成果はこのほど、エネルギー関連材料分野の論文誌「アドバンスド・エナジー・マテリアルズ」に掲載されました。

 中国科学院近代物理研究所ナノ材料室の室長を務める段敬来研究員は、「高性能電池の負極材料の理想的な立体枠組み構造に関する研究は、世界における先端技術の課題だ。金属リチウム製の負極は次世代リチウム電池の理想的な負極素材とされているが、サイクル過程で発生するデンドライト(樹枝状結晶)などが、商業化と応用の障害になっている」と説明しました。このため、高エネルギー密度、高出力密度、高いサイクル安定性を兼ね備えた負極用リチウムの立体枠組み構造を模索することは、高性能リチウムイオン電池の研究開発にとって重要な意義があるとされています。

 同じ素材を使った他の立体枠組み構造と比べて、新たな3次元的な多孔質複合枠組み構造はリチウムイオン電池の電気化学性能を著しく向上させました。この複合枠組み構造の良好な力学的強度、高い空隙率、低い空隙屈曲度が電池性能を向上させた要因であることが明らかになったとのことです。(ZHL、鈴木)

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