中国、深さ1万メートルの科学探査井戸を掘削

2023-06-01 14:44:55  cri

 中国北西部の新疆タリム盆地では5月30日、中国初となる深さ1万メートルの科学探査井戸の掘削作業が始まりました。

 「深地塔1井」と名付けられたこの井戸は、地下1万1100メートルまで掘削される予定です。掘削場所はタクラマカン砂漠の奥地で、周囲は砂丘です。掘削作業に先立ち、約20階建てビルに相当する高さの鉄塔が築かれ、流砂の上にしっかりとそびえ立ちました。掘削開始後は、重さ2000トン以上のビット(ドリル先端部)やドリルシャフト、ケーシング管などが地下に深く入り込み、白亜系など10以上の地層を貫通し、地球深部を探索する「望遠鏡」を形成します。専門家によると、地下1万メートルに達する井戸は、地球の未知領域を探索し、人類の認識の範囲を広げる大胆な試みとのことです。

 天山や昆崙山に囲まれるタリム盆地は、地質年代を経て大きく変貌しました。数億年の地殻運動によって、地表では溝が縦横に走り、地下構造も大きく引き裂かれるなどで、地質構造は極めて複雑です。開発の難しさは世界でも屈指で、中国国内ではここだけとのことです。それだけでなく、地下1万メートルではセ氏200度の高温や1700気圧という厳しい状況にも耐えねばならず、1メートル進むごとに掘削の難度は指数関数的に増加していきます。中国はここ数年、地球深部の探索を続けており、掘削深度は繰り返し更新されていますが、深さ1万メートルの井戸掘削は中国にとって初の挑戦です。(藍、鈴木)

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