中国人夫婦 結婚6年で不妊 夫の染色体は「女性」

2023-05-29 14:29:33  CRI

夫の染色体は「女性」 

 中国東部の浙江省にある温州医科大学付属第一医院生殖医学センターはこのほど、結婚後6年間妻が妊娠しなかった夫婦を診察しました。検査したところ、夫の楊さん(仮名)の精液には精子がないことが分かり、さらに染色体を検査したところ、女性核型であることが分かりました。遺伝学的には、夫は女性であるということです。 

 楊さんには男性の第一次性徴(輸精管、精嚢、精巣上体、陰茎)と第二次性徴(ひげ、喉仏など)があるものの、AZF遺伝子(Y染色体にあり、精子の生成を制御する遺伝子)はすべて欠失していることが検査で明らかになりました。そのため、卵胞刺激ホルモン(FSH)が高く、男性生殖器官の発育はほぼ正常であるにもかかわらず、染色体検査の結果は女性の核型「46,XX」で、臨床上では性分化疾患と呼ばれています。  

 専門家によりますと、性分化疾患は性別発育異常の遺伝性疾患の一種で、発病のメカニズムは複雑で、通常は単一の原因によるものではないということです。男性性分化疾患の多くはSRY遺伝子がY染色体からX染色体あるいはその他の染色体に転座するためで、女性性分化疾患の多くはSRY遺伝子の欠失と突然変異によりますが、その他の遺伝子異常も性分化を招く可能性があります。(ヒガシ、柳川)

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