中国のうp主、ChatGPT技術で祖母を「復活」 最後の対話を実現

2023-04-06 14:27:32  CRI

(呉伍六さんが祖母と対話する動画を「bilibili」で共有)

 春分の日から15日目にあたる「清明節」(今年は4月5日)は中国で祖先を供養する日とされています。中国動画共有サイト「bilibili(ビリビリ)」のあるうp主(投稿者)が対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を利用して亡くなった祖母を「復活」させた動画が再び話題になっています。

 うp主の「呉伍六」さんの祖母は、今年1月に病気で入院し、入院中はずっと意識不明で、看病していた呉伍六さんと正常な交流ができないまま他界しました。小さい頃から祖母のそばで育ってきた呉伍六さんは、祖母を懐かしみ、ChatGPT技術を利用して、バーチャルヒューマンとして祖母を「復活」させました。

 祖母がまだ生きていた1月の春節(旧正月)前に戻りたいと思った呉伍六さんは、祖母に年越し用品の準備状況について尋ねました。すると、祖母は「食用油2缶も買ったよ。手搾りのもので、香ばしいわ」と方言で答え、うれしそうに笑いました。呉伍六さんはさらに「おばあちゃん、通販で鉄砂壺(急須)を買ったよ。おばあちゃんが大好きなお茶を入れて、ストーブの上に置いてあるから冷めないよ。大みそかの夜、家族みんなでストーブを囲んでおしゃべりをしながらお茶を飲もうよ」と言いました。これらは祖母に言いたかった言葉ですが、祖母は急須を使うことなく亡くなりました。

 呉伍六さんの祖母の「復活」に深く関わったのが「ChatGPT4」です。呉伍六さんが祖母の性格の特徴や生活習慣などを描写すると、ChatGPT4は祖母役を演じて孫との対話を実現させました。「復活」した祖母は「あの北京の伝統の布靴は履き心地がいいので、何年も履き続けたんだよ」と言い、「油っこいものは控えてね。体に悪いから」と孫を心配する言葉さえかけました。

 亡くなった祖母が微笑みながら現れ、孫と親しげに話し合うシーンを見て、多くのネットユーザーは驚きと感動を覚えました。呉伍六さんは「AI技術によって実現されたバーチャルヒューマンの実験が、人々の、AIや生命、感情、人間性、倫理に対する思考喚起につながってほしい」と期待を寄せました。(Lin、柳川)


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