中国陝西省、考古学六大新発見を発表

2023-03-15 14:14:59  CRI

 中国北西部に位置する陝西省でこのほど、「2022年陝西考古学六大新発見」が発表されました。選ばれたのは洛南夜塬遺跡、旬邑西頭遺跡、秦漢櫟陽(やくよう)城遺跡、西安三殿漢代古橋遺跡、朱雀通り五橋並列遺跡、靖辺清平堡遺跡についての発掘調査でした。

△洛南夜塬遺跡の地層断面図の西壁

 夜塬遺跡は洛南盆地の西部に位置しています。堆積した24メートルにも及ぶ土の層の下から、計1万2000点余りの石器が出土しました。考古学者は同遺跡に100万年前の人類の活動の証拠が存在することを確認し、洛南盆地における人類の活動の歴史をそれまでよりも30万年ほど長くしました。

 旬邑西頭遺跡では殷(紀元前17世紀ごろ~同1046年)から周(紀元前1046年~同256年)にかけての時代の遺構が見つかりました。遺構の分布面積は約200万平方メートルで、これまでに涇河流域で発見された最大規模の殷周時代の集落の一つとされています。

 秦代(紀元前221年~同207年)から漢代(紀元前202年~同220年)にかけて繁栄していた秦漢櫟陽城は、考古学調査により漢王朝の最初の都だったことが判明しました。発掘番号第3号の建築物の東側には第3号古城の主要建築物群を貫く南北方向の中軸線が存在しました。この都市中軸線は、これまでに発見された都市中軸線として最も古いものです。また、第3号建築物では半地下建築と水洗式トイレが見つかりました。これらは、これまでに発見されている同種の遺構の中で時代が最も古く、レベルが最も高いものとのことです。

 西安三殿漢代古橋遺跡は、これまでに、滻河流域での考古調査で発見された唯一の漢代の橋です。

 隋代(581~618年)から唐代(618~907年)にかけての長安城(現在:西安)の朱雀通り五橋並列遺跡はこれまでに中国で発見された同種の遺跡の中で最古のもので、都ならではの最上級の礼制を示すものとされています。

 清平堡遺跡の発掘作業は中国の長城遺跡についての初の大規模な考古学発掘です。長城が建設された当時、軍事と商取引の促進という2つの位置づけがすでに定められていました。清平堡をはじめとする長城遺跡はかつて、長城の両側に住む異なる民族と文化に衝突と交流が発生し、徐々に融合する場だったことが分かりました。(ZHL、鈴木)

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