中国科学院開発の水生哺乳類インテリジェントモニタリングシステムが利用開始

2023-03-14 15:33:07  CRI

 水生哺乳動物に対して音声や映像を使ったリアルタイムのインテリジェントモニタリングが可能な中国初のプラットフォームがこのほど利用を開始しました。中国科学院水生生物研究所の研究チームが複数の機関と共同で開発したもので、中国の国家一級重点保護野生動物である長江スナメリとシナウスイロイルカの保護に利用されます。


水生哺乳動物インテリジェントモニタリングシステムの画面

 中国科学院水生生物研究所の研究員によれば、長江スナメリとシナウスイロイルカは1日の95%以上の時間を水中で過ごすため、従来の人による目視や音響による観察では長時間、また広範囲に及ぶ観測データの収集が困難でした。今回開発されたプラットフォームはソナーによる識別や画像のキャプチャーなどの技術を活かし、24時間途切れることなくモニタリングと早期警戒が可能になります。モニタリングの範囲は中国の内陸河川と近海をカバーし、長江スナメリとシナウスイロイルカが発する超音波をソナーによってリアルタイムで識別し、その個体数と正確な位置を計算する他、動物が泳ぎ回ったり餌を取ったりする行動を識別できます。さらに、動物が水面で活動している様子をリアルタイムで撮影し、船舶が水中に放射する雑音をモニタリングして事前警報を発する機能も備えているということです。(鵬、坂下)

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