秦漢時代の考古学的新発見 「商鞅の変法」制定の舞台を特定

2023-03-12 13:25:58  CRI

 陝西省考古研究院は12日、昨年、陝西省内で実施された考古学発掘プロジェクトを総括し、6つの優秀プロジェクトを選出しました。その中のひとつが、「商鞅(しょうおう)の変法」といわれる大改革が行われた秦(紀元前905年~紀元前206年)の都であり、前漢(紀元前206年~8年)の最初の都でもあった「秦漢栎陽(やくおう)城」です。

△秦漢栎陽城遺跡の第3号建物跡 

 秦漢栎陽城は、現在の陝西省西安市閻良区に位置します。考古学チームはここで3つの古城を特定し、文献に記載された秦・漢時代に都とされていた栎陽城の所在地を第三号古城であるとしました。また、2021年から2022年にかけては、第三号古城の第3号と第11号の2つの大型宮殿建築の基礎跡を明らかにしています。これは近年の中国における、戦国時代(紀元前403年~紀元前221年)中期の列国の都の中核をなす建築物の重要な発掘です。

 この2つの建築物は、伝統的な中国の建築物の様式である「坐北朝南(北を背に南を向く)」の長方形で、台座やエプロンなどで構成されています。これにより、戦国時代中期から前漢初期にかけての都の中核をなす重要建築物の平面レイアウトが初めて明らかになりました。これらの建築物は戦国時代中期から、前漢初期まで使用されていたと見られています。考古学者らは、第3号建築物を、栎陽城が首都であった頃に王と大臣が政について話し合うための重要な場所であったと推測しており、「商鞅の変法」の骨子は、ここで決められた可能性が大きいとしています。

△半円形タイル 

 このほか、大型の半円形タイル(瓦当)、中空レンガの階段、陶製の立て管などの建築材料も出土しています。秦漢栎陽城は、戦国時代さらには秦漢時代の重要な建築物の研究にとって重要な価値があるとされています。(ZHL、MN)

 



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