中国の科学者 シャミセンガイが現在まで生き延びた理由を解明

2023-03-10 13:34:02  CRI

 中国西北大学(西安)地質学部の研究チームはこのほど、5億2000万年前からの腕足動物シャミセンガイの殻に対するビッグデータ分析と解剖研究を行った結果、シャミセンガイが穴を掘って住むという生き方はオルドビス紀(4億8000万年前~4億4000万年前)にすでに確立され、その殻の形と生き方(固着、粘着、群棲と巣穴生活を含む)の多様性も当時でピークに達したとの結論を得ました。その後、オルドビス紀末とペルム紀末の大量絶滅を経て、巣穴生活と群棲がランダムに残されたということです。

△シャミセンガイ 

 これに関する研究成果は北京時間9日未明、Cell Pressから発行される学術誌「カレントバイオロジー(Current Biology)」にオンラインで掲載されました。 

 腕足動物のシャミセンガイはダーウィンによって「生きた化石」と定義されています。カンブリア紀初期に出現し、地球上で最悪の「5回もの生物大量絶滅」に耐えて現在まで生き残っています。今、中国の広西チワン族自治区や日本、ニュージーランドなどの浅海に分布しています。

△カンブリア爆発期の腕足動物の生き方と階層構造(固定、定着、付着といった生き方を含む) 

 5億2000万年来、シャミセンガイはずっと泥質の海底に生息しており、その殻の長さは3~5センチ、最長で十数センチぐらいです。長期的な進化の中で、穴を掘って住む生き方やブドウのような房状の群れの生活などに合わせてさまざまな殻をしています。このような「多様性」に富む生き方をしているからこそ、5回もの生物大量絶滅を乗り越えられたのでしょう。分岐解析や、形態空間測量と系統分析など複合領域の研究方法を総合的に運用して研究した結果、オルドビス紀後のランダムな進化がシャミセンガイの進化を促す主な外因だったことが分かったということです。(ZHL、野谷)

 

 


 

 


ラジオ番組
KANKAN特集