中国江蘇省泰州市、「認知症老人の徘徊(はいかい)見守りシステム」を構築

2023-01-12 14:06:13  CRI

 

認知症老人を保護する警官

 江蘇省泰州市姜堰区では近年、認知症老人の行方不明が成人の失踪事件の61.9%を占めています。この問題を受け、現地の警察は「認知症老人見守り」システムを開発し、認知症老人の行方不明の件数を90%以上減らしたとのことです。

 農村部で認知症の老人が行方不明になった場合、交番の防犯カメラ映像が十分でない上、農村部では人々の移動が少ないため、探し出すのが困難です。従来の防犯カメラ映像を利用した捜索では、効率も悪く、成功率も限られています。

 泰州市姜堰区では2019年より防犯カメラシステムをアップグレードすると共に、完全構造化識別とフロントエンド感知技術を導入しました。2021年にこのシステムが正式にスタートすると、警察はいくつかの地域の、徘徊(はいかい)しやすい老人の画像を同システムに入力し、警察官、コミュニティスタッフ、老人保護担当者の携帯電話と関連付けました。システムの運用開始後は、路面の防犯カメラが画像認識によって自動的に老人を発見・特定し、周辺に家族などの「同伴者」がいないことを確認すると、情報をいち早く関係者の携帯電話にフィードバックし、警察、コミュニティ、家庭による徘徊老人の積極的な発見や正確な捜索、日常的な見守りを実現しました。

 警察官はまた、認知症の老人1人ずつにIoT(モノのインターネット)のブレスレットを装着してもらうことで、画像による事前の警戒と、IoTによる感知・早期警戒の両方を行うことが可能で、農村部であっても認知症老人の具体的な位置を数分以内に特定できます。(雲、坂下)

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