耳の不自由な女性がオーナーの「無音」パン屋=河南省

2023-01-03 11:46:47  CRI

 中国中部の河南省鄭州市には、耳の不自由な20代の女性二人が営む変わったパン屋があります。「コアラは走らない」という名のこのお店は、80平方メートル足らずで、二人は、音は聞こえないながらも楽しく、また懸命にこの「無音」パン屋さんを切り盛りしています。

パン屋を営む耳が不自由な二人の女性

 他のパン屋と違い、店内はとても静かで、BGMも会話もなく、パンを作るときに器がぶつかる音だけが響きわたっています。会計の時には、レジの女性がジェスチャーやキーボードを打ってお客さんとコミュニケーションをとります。

 レジ担当の女性は王鈞婷さんといい、3歳の時に医薬品が原因で難聴になりました。ほかの多くの女の子と同じように、スイーツが好きな王さんは、高校時代からパン作りを習いたいと思っており、20年以上付き合ってきた、同じく耳が不自由な親友の周杏露さんと一緒に、夏休みや冬休みにベーカリーの見習いとして働き、途切れ途切れながら2年間勉強しました。2021年、彼女たちは大学を卒業すると、家族の助けを借りて起業し、鄭州市恵済区興隆舗村に自分たちのパン屋をオープンしました。

 開店当初は、さまざまな困難に直面しました。お客さんが来て何か尋ねられても、彼女たちから答えがないために帰ってしまい、そのために多くのお客さんや注文を逃すことも多々ありました。その後、利用客が次第にお店の状況を理解するようになると、リピーターが増え、今ではお客さんとの連絡専用の微信(ウイチャット)のアドレス帳には既に1500人以上が登録されています。小さなお店ながらも、ティータイムのオーダーメイドの注文が次々と寄せられています。

 二人は2023年にもう1店舗をオープンする予定で、彼女たちと同じような人を探して一緒に起業したいとしています。(RYU、坂下)

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