北京
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ウクライナで美術を学んでいる中国人留学生の柯義さんは、ロシアとウクライナの衝突が始まったにもかかわらず、ウクライナ西部の都市のリビウに残って、専門知識を生かして戦火の中に取り残された子どもらを可能な限り助けることにしました。このほど中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の記者が、柯さんが防空壕に設けた子ども美術教室を訪ねました。
中国人留学生の柯義さんは、現地の薄暗い防空壕で、子どものための美術教室を始めた
現地政府の規則では、建物を新築する場合には、戦時に備えて地下の防空壕を付設することが定められています。柯さんは、リビウの北部郊外にある小さなビルに付設された防空壕で、20人余りの子どもが集まる美術教室を開くことにしました。
子どもらは2月24日にロシアとウクライナの情勢が急変してから登校していないため、この美術教室が皆で集まる場所になりました。
防空壕で遊んだり、おしゃべりをしたりする子どもら
柯さんによれば、戦争が発生してから学校の授業が中断されたため、子どものほとんどは家で待機しているしかありませんでした。この防空壕美術教室は子どもらにとって、一緒に遊んだりおしゃべりをしたりすることができる、ありがたい存在になりました。子どもらはここでひと時、リラックスすることができます。
子どもらは花やカタツムリ、ハリネズミ、青空の下の家の描き方を学んでいます。「身近にあったこれらの素晴らしいものを描いている時には、しきりに響く空襲警報を忘れてほしい」と柯さんは話しました。
柯さんは2016年にウクライナのハルキウ美術大学の大学院生となり、卒業後は帰国して1年間仕事をしましたが、リビウで美術学博士課程に進むことになり2019年9月にウクライナに戻りました。ウクライナの博士課程は4年間の修学年数がありますが、3年目の今年になって戦争が勃発してしまいました。
計画は完全に乱されてしまいしたが、柯さんはこの街に残ることにしました。「ウクライナの子ども、中国人留学生、その他の中国人同胞を助けることができる。これらの人たちに、何かをしてあげる」ことができるので、自分が現地に留まることには意義があると考えたからだそうです。(朱、鈴木)