北京
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2007年、1枚の写真が中国全土で広く知られました。写真には、中国南部の雲南省怒江傈僳(リス)族自治州に暮らしている余春花さんと余才妹さん姉妹が、ワイヤロープを使って荒れ狂う怒江を越えて学校に通う日常のシーンが記録されていました。それから15年も経ちましたが、2人の生活はどうなったでしょうか。中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の記者がこのほど2人の故郷を訪れました。
2014年、姉の春花さんは雲南中医薬中等専門学校に入学し、卒業後に看護師になったことが分かりました。記者が春花さんを訪ねた時、春花さんは地元で新型コロナワクチンの接種作業を終えたばかりのところでした。
そして、妹の才妹さんは大学進学の夢は叶わなかったものの、政府の貧困扶助政策の後押しを受け、村の人々と一緒にソウカ栽培に力を入れていました。現在、怒江傈僳族自治州のソウカ栽培面積は約7万4000ヘクタールで、総生産量は4万7400トン近く、生産額は13億2000万元(約245億円)に達しており、同自治州は雲南省最大のソウカ栽培エリア、中国のソウカの中心的な生産エリアになりました。
2007年から2022年の間にワイヤロープで川を渡ることは歴史になった
2015年に開かれた全国人民代表大会では、「ワイヤロープを橋に替える」ことが「政府活動報告」に書き込まれました。第18回党大会以来、中央と地方政府は合わせて34億元(約631億5000万円)近くを拠出し、雲南や四川、貴州など七つの省や自治区で「ワイヤロープを橋に替える」プロジェクトを実施しました。橋309基を築いた他、796キロの道路も造りました。このプロジェクトは約1168の行政村と4000の自然村をカバーし、約165万人に恩恵が及んでいます。峡谷の山奥に暮らす人々は、ワイヤロープを使う歴史に別れを告げました。
2018年12月30日、怒江にまたがる喬馬橋が完成し、余さん姉妹の故郷は大きく変化しました。2人は以前の通学方法を振り返り、「国が橋を建ててくれた後、ワイヤロープは少なくなり、観光客に体験してもらうためわずか一部が残っているだけ」と教えてくれました。
「私たちの世代はもうワイヤロープを使う必要はなくなり、次の世代も必要はない。これこそが幸せだと思う」と2人は言いました。(藍、野谷)