北京-東京フォーラム閉幕 「平和協力宣言」を発表

2022-12-09 13:34:31  CRI

 今月7日から2日間にわたって開催されていた第18回北京-東京フォーラムは8日午後、成果文書となる「平和協力宣言」を発表して閉幕しました。


北京に設けられた閉幕式会場

 今回のフォーラムは、北京と東京をつなぐオンライン方式で行われ、中日両国の有識者約100人が「世界の平和と国際協調の修復に向けた中日両国の責任」という全体テーマをめぐり、平和秩序、政治外交、安全保障、経済、デジタル社会、メディアなどの分科会で議論しました。


オンラインで行われた分科会の様子

 閉幕日に発表された「平和協力宣言」は、「国連憲章を基礎とする世界の平和秩序を擁護し、どんな紛争も平和的手段で解決すべきである。全ての関係者に地域の緊張を高める行動を自制することを求める。中日両国は、これまでの政治文書に反映された合意が国民間の幅広い理解を得るように一層の努力をする必要がある。両国は、包摂的で地球環境に配慮した持続可能な世界経済のために共に努力すべきである。また、アジアの平和と協力発展のために、両国は相互信頼や共通利益での協力を具体化すべきである」と強調しています。


言論NPO代表の工藤泰志氏

 今回のフォーラムについて、日本側主催者である言論NPOの工藤泰志代表は、「私たち日本と中国は、世界とアジアの不安が高まる中で何をなすべきか、互いに理解していると思う。互いの状況に応じてそれをどのようにまとめていくのか、今回のフォーラムの参加者は率直に話し合った。一から議論するという状況が無かった中で、皆さんがここまで話し合い、日本と中国の対話の基盤が信頼に基づいて作られているということに驚くと同時に、非常に嬉しい」と述べました。


中国外文局副局長兼編集長の高岸明氏

 閉幕後に行われた記者会見では、中国側主催者代表である中国外文局副局長兼編集長の高岸明氏が、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の記者から、今回の成果文書の名称を従来のように「北京コンセンサス」と「東京コンセンサス」ではなく、「平和協力宣言」とした理由を聞かれ、「北京-東京フォーラムはこれまで、中日の2国間およびこの地域の問題を中心に話し合ってきたが、今回は視野を広げてグローバルな課題について討論しようと双方が思っていた。そのため、今回の成果文書はフォーラムの全体テーマにも合わせて『平和』と『協力』をキーワードとした」と説明しました。


前駐日本大使で中日友好協会常務副会長の程永華氏

 また、中日関係が困難な時期でも中断することなく、18年連続で開催されてきた北京-東京フォーラムの意義について、中国の前駐日本大使で現在は中日友好協会常務副会長を務めている程永華氏は、「中日両国各界が相手への理解を深め、相手とコミュニケーションをする強い意志の表れである。例えば、フォーラムの一環として中日世論調査が毎年行われているが、これまでの調査結果を見てきて特に気づいたことがある。それは、両国関係が困難に直面した時でも、相手国との関係を重視すべきと答えた人が全体の70%以上を維持していることだ。民意を反映している結果だと考えられる」と示しました。(取材:斉鵬、李陽)

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