植物の光合成メカニズムを哺乳類細胞に移入、治療効果も確認=中国科学研究チーム

2022-12-09 15:11:49  CRI

植物由来のチラコイドを老化して病変が発生した動物細胞に移入

 英国の総合学術雑誌「ネイチャー」は北京時間8日、中国科学研究チームの光合成に関する長文の研究成果を掲載しました。研究チームは、ホウレンソウの細胞からチラコイドと呼ばれる小組織を取り出し、老化して病変が発生した動物細胞内に入れ込みました。チラコイドは「生物電池」とも呼ばれており、植物細胞が光合成を行う際に、電子伝達の場になります。チラコイドが移入された動物細胞には、植物の光合成に関連するエネルギーが付与され、細胞の退化と老化が逆転するとのことです。植物界と動物界の違いを乗り越えてチラコイドを動物細胞に組み入れたのは世界初です。

 紹介によりますと、同研究チームはチラコイドのナノコーティング技術を開発し、哺乳動物の細胞膜をナノ化した植物由来のチラコイドの外層に貼り付ける「細胞膜偽装」と呼ばれる方法で植物類チラコイドを哺乳動物細胞に入れ込み、植物と動物の境を乗り越えて、動物細胞にエネルギー伝達の「秘密の鍵」を獲得させました。この方法は、動物退行性骨関節炎疾患の治療応用において、その効果が検証されたとのことです。

 研究チームは成果発表と同時に特許を申請し、製品の作業に着手しました。(怡康、鈴木)

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