離陸のため滑走中の旅客機、人命救うために急バック

2022-11-25 12:00:19  CRI

午後1時59分、移植用臓器が入った容器を持って搭乗口に急ぐ医師

 湖北省武漢市の空港で23日、離陸に向け滑走を始めていた中国南方航空CZ3925便が緊急事態を受け引き返し、臓器を届ける医師を搭乗させました。患者の命を救う肝臓を迅速に届けるための措置でした。

 武漢発杭州行きの南方航空CZ3925は予定通り扉を閉めて、離陸のための滑走を始めていました。ところが午後1時33分になり、南方航空社に突然、武漢大学人民病院から「ドナーの提供した臓器を持つ当院の医師を、この便に搭乗することで杭州に急行させて、患者の救命に間に合わせたい」とする緊急連絡が入りました。患者は急性肝不全のため緊急治療を受けており、間に合わなければ命を失うとのことでした。
 南方航空はただちに決断し、すでに滑走を始めた飛行機を駐機位置に戻らせ、再び扉を開けて医師の搭乗を待機させました。同時に、客室乗務員は乗客に事情を説明して理解を得ました。また、空港スタッフは万全を図るため、医師の搭乗に必要なすべての手続きを事前に済ませておき、ターミナルに駆け付けた医師を迅速に安全検査グリーン通路を通過させ、10分もかけずに搭乗口まで誘導しました。
 離陸が定刻より30分遅れたため、同便乗組員は沿線の管制官に状況を報告して、安全面の確保を前提としての高速直行を申請しました。同便は約2時間後の午後3時12分に、予定より3分早く目的地に到着しました。客室では、チーフパーサーが協力してくれた旅客全員に深く感謝の意を示しました。この「命のリレー」で、肝臓は円滑かつ最速で病院に届けられました。移植手術は順調に終わり、患者は次の段階の治療を受けることになりました。(朱、鈴木)

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