日本酒とアウトドアに追い風吹いた輸入博 ジェトロ代表「中国市場を知る重要な場」

2022-11-12 17:41:33  CRI

 第5回中国国際輸入博覧会が11月5日から10日にかけて開催され、過去最多145の国・地域からの出展を集めました。

 2018年の第1回から5年連続で輸入博に参加しているジェトロ(日本貿易振興機構)は、今年も日本の中小企業を中心に取りまとめて、消費品、食品、医療機械の3つのエリアでジャパン・パビリオンとして出展しました。ジェトロを通じた今年の出展企業数は279社で、昨年とほぼ同規模となりました。

 ジェトロ上海代表処の水田賢治首席代表・所長は「コロナの影響を心配していたが、昨年よりも多くの人が訪れてくれた」と手応えを述べました。また、中小企業を取りまとめて出展することについて、「中国に物を売りたい日本企業は非常に多いが、中国市場をよく知らないところが多いため、そこをジェトロが支援したい」としたうえで、「今は日本と中国の往来ができず、実際の中国市場について十分な情報が入ってこない。だからこそ輸入博のようなリアルイベントが重要だ」と出展の意義を語りました。

 食品ブースでは、日本酒の試飲コーナーが賑わいを見せました。RCEPの発効により、中国の日本酒に対する関税が引き下げられたことを受けて、昨年の70銘柄から今年は3倍近い170銘柄に増加。さらに、中日国交正常化50周年にちなみ、日本酒の陳列棚に蛇口50個を取り付け、その場で試飲できるコーナーを設けました。

 今年注目された新たな取り組みの一つが、消費品エリアへのアウトドア用品の出展です。

 ジェトロ上海代表処の高山博副所長は、「中国で生活していると、アウトドア分野の著しい伸びを肌で感じられる。アウトドア関連のキーワードが検索された回数が、去年より10倍ほど増加したという情報もある。中国のアウトドア市場の規模は700億元(約2兆円)ほどで、これは日本の20倍に値する」と中国市場の事情を語ったうえで、日本ブランドの認知拡大に意欲を示しました。

 初出展したキャプテンスタッグの中国総代理店を運営する小暮崇氏は、「初日からキャンプ用品に関する問い合わせが途絶えない。実際にその場で触って、すぐに買う人も多い。今年の全体的な売り上げは昨年の2倍に上っている。今後も質の高い日本の商品を広めていきたい」とし、中国のアウトドア市場の好調ぶりを語りました。(取材・写真:RYU 校正:梅田謙)

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