「論語」にはもっと古い抄本があった?戦国時代の竹簡が可能性示す

2022-08-22 12:40:50  CRI

 中国の安徽大学はこのほど、「仲尼曰」「曹沫之陳」という2つの重要な文献を含む安徽大学蔵の戦国竹簡「安大簡」に関する最新の研究成果を発表しました。「仲尼曰」は、古代中国の思想家、孔子(前551ごろ~前479)と弟子との対話などをまとめた「論語」のこれまでに発見された最も古い抄本の可能性もあります。 

△南京市にある夫子廟大成殿    

 「仲尼曰」は全13枚で、孔子の25の言論が記されています。うち8つは今本「論語」にも見られ、他は古代中国の儒教経典や儒家書物である「礼記」「大戴礼記」「孔叢子」などの文献と対照することができますが、文字は全く同じではないことから、「仲尼曰」は「論語」の戦国時代の編定本から抜き書きしたもので、これまでに発見された最古の「論語」の抄本の可能性もあります。竹簡本の発見は、「論語」の編さん、伝承、テキストの発展と変化、孔子思想などの問題の研究に対して大きな意義と価値があるとみられます。 

 「曹沫之陳」には、魯の荘公と曹沫の問答が記載されていて、内容は当時の軍事や政治理念に及び、兵学における非常に重要な文献と見なされています。竹簡はもともと46枚ありましたが、現存しているものは44枚で、2枚は散逸しています。2004年に発表された上海博物館蔵の戦国時代の楚の竹簡にも「曹沫之陳」の内容が収録されていますが、内容には若干の違いがあります。両者の竹簡文を照らし合わせると、ほぼ完全な文献を復元できるということです。(ZHL、柳川) 


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