北京
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毎年2~3月はアフガニスタンでは、大学入試のシーズンです。今年は厳しい情勢の上、新型コロナで多くの学校が閉鎖されましたが、大学入試は例年通りの時期に行われました。アフガンの大学入試は「カンコール」と呼ばれ、試験内容は160の選択項目からなり、360点満点です。今年の入試の最高得点は女子生徒のセルガイ・パルザンドさんの352.575点でした。アフガンでは2年連続で女子生徒がトップに輝き、話題となっています。特に、今年はアフガン史上初のパシュトゥン人の女性によるトップです。パシュトゥン人はアフガンで人口が最も多い民族で、総人口のおよそ40%を占めています。現在、アフガン全域を掌握したタリバンは、主にパシュトゥン人で構成されています。
セルガイさんの志望大学はカブール大学の医学部です。1990年代、タリバンが政権を握ったとき、アフガンの女性は小学校、中学校、高校、大学で勉強や仕事することが禁止されていました。8月29日、タリバンで高等教育相代行を務めるアブドゥル・バキ・ハッカニ(Abdul Baqi Haqqani)氏は、「アフガンの人々は、シャリア(イスラム法)に照らして安全に、男女が同席しない環境で高等教育を受け続けることになる」と明らかにしました。これについて、セルガイさんは、「条件が許す限り、私は最後まで勉強を続けたい。決して中途半端にはならない。もし、国内で勉強ができないならば、海外へ行って勉強したいと思う。とにかく、私は勉強を続けたいし、この国のために何かをしたいと思っている」との考えを示しました。
セルガイさんはアフガン中東部に位置するラグマーン州の中産階級の家に生まれました。アフガンの大部分の地区と同じように、ここも基本的な医療条件が備わっていません。セルガイさんが7歳の時に、父親が医療事故で亡くなりました。医療事故の原因は医者が検査をしないまま、糖尿病を患う父親に過剰な量のグルコースを注射したためです。この悲劇はセルガイさんが医療ミスをしない医者を目指すきっかけとなりました。
また、セルガイさんは「学校に行きたくない、勉強を続けたくない」という女子生徒に対して、「この国は私たちの力で建設することを期待している。私たちは国の希望である。私たちは自分の力に頼って、国を強くするべきだ。新しいアフガンのために、一緒に頑張ろう」と力強く呼びかけました。(非、星)