【CRI時評】人種差別は米国社会の尽きない「悪夢」

2020-09-01 10:41  CRI

 米国の警官によるアフリカ系市民に対する悪質な暴力事件と「ダブルスタンダード」な法執行は、米国社会の敏感な神経を一つまた一つと突き刺し、全米規模で人種差別への抗議の声を巻き起こしている。

 米国ではここ数日、人種差別への反対を訴える活動が開かれている。現地時間8月29日午後、米ウィスコンシン州ケノーシャでは、数日前に警官に銃撃されて負傷したアフリカ系男性のジェイコブ・ブレイクさんの事件をめぐって公平と正義を求める平和的デモに数千人が参加した。同28日には首都ワシントンで、米公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キング牧師が行った演説「私には夢がある」から57周年を記念する集会が開かれ、キング牧師の長男が、現在の米国について、父親が期待したように変わっていないないばかりかむしろ「悪夢」の中にあると述べている。

 人種差別が存在することで、米国では人種間関係が悪化し、ヘイトクライム(憎悪犯罪)が増え続け、社会のねじれが深刻化している。米国の調査機関ピュー・リサーチ・センターがこのほど世界の先進国14カ国で実施した調査によると、米国では8割近い人が、現在の米国は新型コロナ流行前よりも分裂しているとの考えを示している。その背景に、米国の政治家の不作為や無分別な行為が重要な要因としてあるのは明らかだ。

 法の下の平等は、国際人権規約の基本原則だ。米国の政治家は「人権擁護者」を自ら吹聴するが、自国の深刻な人種差別問題を解決する意欲も力もない。これは、その制度的構造的欠陥を明らかにするだけでなく、「米国式人権」の偽善的な本質も浮き彫りにしている。人種的多数派である欧州系白人による、米国の国家権力に対する根本的な掌握と他の人種グループに対する体系的な差別は、米国の人種間対立の中心的な特徴だ。これにより米国の人種的少数派には、欧州系白人と比べて、経済や社会の各段階で越えようのない「境界」が存在する。言い換えれば、米国の人種差別のこうした傷跡は、これまで一度も治癒されてこなかったばかりか、むしろ絶え間ない衝突と暴力の中でさらに引き裂かれ、人種的少数派を「息ができない」苦しみへと追い込んでいる。(CRI論説員)

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