サスペンス・推理小説の面白さとは?ドラマ「隠秘的角落」のヒットで原作小説も話題に

2020-07-15 10:28  CRI

 6月に配信がスタートした中国のサスペンスドラマ「隠秘的角落(The Bad Kids)」が社会現象を巻き起こすほどの大ヒットネットドラマになったことに疑問の余地はない。配信スタートから最後まで、人々は人間性や家庭、社会、親子関係などをめぐり議論を展開し、「登山に行こうか」が、血の気が引く話題のセリフとなった。中国新聞網が報じた。

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 ドラマの大ヒットに伴い、原作小説「壊小孩」と作者の紫金陳も注目を集めている。出版社の浦睿文化は取材に対して、「『隠秘的角落』の配信がスタートしてから、『壊小孩』は3度増刷した。予約数が目に見えて増えている」と説明した。

 これまでに、「無証之罪(Burning Ice)」や「白夜追凶(Day and Night)」などのネットサスペンスドラマも大ヒットした後、同時に原作小説も大人気になったことは注目に値する。

 業界関係者は、「『琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~』が大ヒットし、ウィズダム・オブ・ゲーム型の歴史系作品が人気になった。『無証之罪』が大ヒットした時は、それに伴って原作も大人気になり、サスペンス系の小説が大量に登場するようになった。その他、『白夜追凶』がヒットして、市場ではハードボイルド・サスペンス系図書が脚光を浴びるようになった。波紋が広がるとはまさにこのことだ。ハイクオリティの作品の影響力が十分に見て取れる」と分析している。

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 小説がしっかりと腰を据えることができるかは、鮮明な登場人物と豊かなストーリーにかかっているが、サスペンス・推理小説も同じだ。

 紫金陳は、「良いサスペンス・推理小説の最も重要な要素はおもしろいこと。ストーリー設定をまず考えなければならない。しかし、それができたなら、業界においてすでに『巨匠』と呼ばれていることだろう。多くの小説家が、陰謀の構想に集中しすぎて、ストーリー性をおろそかにしてしまっている。どんな小説でも、全てはストーリーにかかっており、おもしろいストーリーにできるかがカギだと思っている」との見方を示す。

 リアリティとプロフェッショナリティも作品のクオリティを押し上げる要素だ。「法医秦明(Medical Examiner Dr. Qin)」シリーズは、原作作者の秦明自身が検死医だ。あるネットユーザーは、「事件の解決までのプロセスは、つじつまがあっており、常識的なミスもなく、ストーリーは、ダラダラとしておらず、流れるようだ。これは、原作小説が人気になっている理由でもあるだろう」と分析している。

 中国国内で、サスペンス小説は、固定の読者グループを有しており、本屋などでは東野圭吾などの作家の作品をよく見かける。中国のサスペンス・推理小説は、以前は伸び悩んでいたものの、近年は情勢が変わり、紫金陳や雷米などの作家の作品が大ヒットとなっている。

 浙江文芸出版社の柳明曄・副編集長は、「サスペンス推理は、ずっと人気を維持しており、特に男性読者にとても人気がある。こうした作品を読むと、ドキドキハラハラするほか、自分の心理的認知と知恵を試すことができ、平凡な普通の生活からひと時離れて、気分転換することができるからだ」との見方を示した。「人民網日本語版」より

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马玥