最新技術を駆使してキジル石窟を保護する若い夫婦

2020-07-10 10:06  CRI

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 「私は根っからの山の人」と話す李博さん(35)は、2008年に大学を卒業した後、新疆維吾爾(ウイグル)自治区拜城県の克孜爾(キジル)石窟にやって来て、新疆亀茲(クチャ)研究院文化研究センターの研究員となり、そこで、人生の伴侶も見つけた。彼女は夫の賈文佳さんと共に、ゴビ砂漠で暮らし、キジル壁画と切っても切れない縁を築いている。新華網が報じた。

 1700年以上前に造営されたキジル石窟にとって、保存状態の良い壁画が最も貴重な宝となっている。2011年、亀茲研究院は、当時で最先端のデジタル化スキャン技術を駆使し、3Dプリントやデジタル印刷などを活用して千年の歴史を誇る石窟を複製した。「文化財の寿命には限りがあり、永遠に保存するというのは不可能。自然環境の変化や人為的な要素で、いつかは破損してしまう。文化財を永続的に保存するために、当院は文化財デジタル化技術を導入した。私もその時からキジル石窟のデジタル化スキャン業務を担当するようになった」と李さん。

 文化財のデジタル化のためのほとんどの作業は洞窟の中で行われ、李さんとチームは1日中洞窟の中にいるという日も少なくない。「冬になると、室外より寒くなる洞窟もある。また、夏になると、室外より暑い洞窟もある。中に長時間いると、息苦しくて耐え難いこともある」と李さん。

 李さんと賈さんが進めているのは、文化財をできるだけ長く保存し、専門家が時間や距離の壁を乗り越えて、至近距離でそれら貴重な壁画を研究できるようにするための作業だ。この9年間、李さんとチームは、110の洞窟と、30の洞窟の壁画をスキャンしてきた。

 李さんは、「山奥にある洞窟の中の非常に美しい壁画を保護し、多くの人にそれを見てもらうというのが、私たち夫婦の共通の使命」と話す。夫婦で1年中ゴビ砂漠で暮らすというのは、とても不便であるものの、仕事に対する熱い思いが冷めることは全くない。賈さんは、「私たちには、自分たちの仕事を通して、広大な大地に陳列されている遺産を、一人でも多くの人に知ってもらい、洞窟の中にある壁画を一人でも多くの人の視野に入れるという、共通の夢がある。私たちは今後もここで頑張り続ける」と堅い決意を語る。

 キジル石窟は、新疆拜城県キジル郷の南東7キロの木扎提(ムザルト)河の北岸にある却勒塔格(クルタグ)山の向かいの岩壁にある。西暦3世紀から8世紀の中頃に造営されたとみられており、中国で最も初期に開削された大型石窟群だ。甘粛省の莫高窟、山西省大同の雲岡石窟、河南省洛陽の龍門石窟と共に、中国四大石窟に数えられている。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月9日

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