縁起のいい食べ物(春節限定!)

   
 上海は、他の地域に比べると酒はあまり飲まないし、食べ物も日常とそれほど変わりませんが、お正月の間は、自家製蛋餃(薄焼き卵で肉をくるんだもの)や百叶(豆製品)を食べます。どちらもその形が「お金」を象徴するもので、「財産に恵まれるように」という願いが込められているのです。蛋餃は、作るときに指輪や話梅(甘い梅干)などを入れ、それを食べた人はその年をラッキーに過ごせると言われています。そして、元宵節にはゴマ餡の「湯圓」を食べます。
   
 春秋時代の終りには、元宵を食べる習慣があったと言われていますが、当時は粘り気のある、白いかゆ状のものでした。後に、お湯の中に浮かんだ、甘いあんの入ったもち粉の皮のお団子に変わっていったのです。
   
 「湯圓」は「タンエン」と読みます。現在では飲茶(特に甜点心)の種類が豊富なお店でみることができると思います。冬至は一年で昼が一番短く、この日を境に日に日に昼が長くなることから、古代中国では冬至が一年の始まりとされていました。一年の始まりに際し、今年一年の豊作家族円満を祈念して神様にお供えをしたのです。今は暦法が代わって旧暦1月1日(=春節)が新年ですが、この風習は残っているようです。どうしてこの「湯圓」を食べるかと言うと、満月のように丸く、銀元(昔のお金)のように白い湯円には、団らんの意味があり、幸福の象徴でもあるからです。