ヤンコ踊り

        

 現在、中国では、近代的なものと伝統的なものが並存しています。たとえば、昔ながらの「秧歌」(ヤンコ踊り)で新年を祝うのは、依然として北方の農村部で盛んに行われています。昔ながらの芝居の衣装を着た踊り手たちは、色とりどりの扇子や絹の布を手に、ヤンコを踊り、「旱船舞」(船の形を着けての踊り)を舞い、また1メートルほどの棒を足の下にくくりつけた「高脚踊り」を踊りながら村に入ってきます。
 

   

 農家の庭に入って演ずるときは、歌い手が即興で歌を作って、主人に新年の挨拶をします。

 

 

「太鼓を打てば わっはっは
 

家禽も家畜もよく育ち


あっちに鶏 こっちに鵞鳥


荷車いっぱい馬蹄銀……」

 このように、田舎の人情と土臭い匂いのするヤンコの年始回りは、村の祭日の娯楽でもあり、また村民自身がヤンコを踊りながら他の村を回るので、村と村の間の友好関係が深まる。