氷 彫

    

 中国の最北端黒龍江省の省都ハルピンは、北海道とほぼ同じ緯度にある街です。街にはヨーロッパ風の建築が多く見られるが、同じように西洋建築の多い上海とは異なるロシア風のエキゾチズムが漂っています。
 そんなハルピンでは、お正月頃の目玉は、気温マイナス30度を記録する真冬に行われる氷祭りです。氷を削りだして作られる彫刻や氷柱を積み上げて作られる氷の建物は、夜にはカラフルにライトアップされ幻想的な様相を見せます。冬のハルピンは驚くほどの寒さですが、そこには冬ならではの美しさがあり、寒さの中でのみ感じられる温かさが存在しています。

   

 氷の作品は赤や緑や青の電灯が一斉に灯り、幻想的な風景に変わっりました。夜になると様々な装飾電灯が灯り、会場の廻りにあるビルが消えてしまって都会の中にあることを忘れさせてくれます。昼見た作品よりはるかに綺麗に暗闇の中で光っていました。「氷祭りは夜鑑賞」するものです。

      

 日本でも夜桜見物がありますが、それと鑑賞するものは違います。会場全体に設置されている少し暗い電球を通して沢山の観光客が見えますし、日本の桜見物に良く見られる多くの露天商も出ていて大変賑やかです。
昼は、白い作品がより寒さを感じさせる光景でしたが、夜には気温はマイナス25℃と更に冷え込んでいるのに暖かさを感じさせる光景です。