清明の民俗

清明節の風習は数多く、非常に興味深いものです。この日には、火の使用が禁止され、柳の枝を髪や門の横木の上に挿す習慣があります。人々は、お墓参りをするのに加え、「春のピクニックをする」、「ブランコに乗る」、「鞠を蹴る」などの活動をします。この日は、冷たいものしか食べられないので、体を鍛えるため、様々な運動をするわけです。この日は、少し厳粛な気分でお墓参りをするのですが、同時にピクニックに出かけるなど、“楽しい”活動もあるので、少し不思議な感じです。

 

 ブランコ乗り

これは、昔の習慣です。「ブランコ」は、鞦韆(しゅうせん)とも書き、「皮の綱を掴んで、揺り動かす」という意味です。昔のブランコの支えは木の枝で作られ、その上に色とりどりの帯がかけられていました。その後、2本の綱や鎖で吊り下げた横木に乗って、前後に揺り動かす遊具となりました。ブランコは健康によいだけではなく、物事に果敢に取り組む「勇気」を育てることができ、子ども達の大好きな遊具の一つです。

 

 鞠蹴り

鞠(まり)は革のボールの一種です。革の皮の中に毛をつめて、作られます。これは、昔、清明節によく行なわれた遊びで、元々は、「黄帝」の発明であり、武士を訓練するのが最初の目的だったそうです。

 

 春のピクニック

中国語で「踏青」と呼ばれます。「春遊」、「探春」、「尋春」とも呼ばれています。旧暦三月の清明節には春が訪れ、いたるところで活気にあふれています。ピクニックにとてもよい時期で、この習慣は今日も続いています。

 

 植樹

 清明節の前後、日差しが暖かく、雨がよく降ることから、苗木の生育率が高く、よく成長します。中国では、古くから清明節には、植樹の習慣があります。清明節のことを「植樹節」と呼ぶもいます。1979年、人民代表大会常務委員会は、毎年312日を「植樹デー」に定めました。これは、全国の人民に対し、国を緑化する活動を積極的に行うよう働きかけるもので、重要な意義があります。

 凧揚げ

 これも清明節の楽しみの一つです。この日は、お昼はもちろん、夜でも凧揚げをします。凧の糸にたくさんの小さな赤提灯をつけます。夜中に輝く星のようなので、「神の灯」とも呼ばれています。昔は凧を揚げた後、糸を切ってしまうのが習慣でした。そうすると、「赤提灯」をつけた凧は風に乗って、遠いところへ飛んでゆきます。これで災いを払い、代わりに幸運を呼び寄せるというわけです。(編集:藍)