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青春の歳月

2015-05-05 15:58:17     cri    

 

 麗らかな春(はる)は一年の中で最も美しく、生気溢れる季節で、その中で中国では5月4日の青年節が最も鮮やかな祝日です。青年節は1919年の五・四運動に端(たん)を発したものです。また同じ時期に起こった文学革命の白話運動の影響で、1930・40年代には多くの素晴らしい青年文学者や芸術家が誕生しました。今回と次回の中国メロディーはその時代の青春を謳歌する音楽作品をご紹介しましょう。

天の果ての歌女  

 天の果て、海の果てまで運命の人を探し

 彼女が歌い、彼が楽器を奏(かな)でる

 私たちの心は一つ 一心に困難を引き受ける

 これは1930年代の都市青春映画「马路天使(街角の天使)」の挿入歌「天涯歌女(天の果ての歌女)」です。1930年代、映画は中国で始まったばかり。上海は中国の都市生活のシンボルとして、当時の若者を夢の大都市へと誘います。「街角の天使」は上海の最下層の青年男女の喜怒哀楽を描き、若者の自由、愛情への憧れを表しました。

 農家の少女・小紅と姉の小雲は人に騙されて売られ、小雲は遊女となり、小紅は街角で歌う歌女として生計を立てます。小紅は向かいに住む若い楽器演奏者・陳少平と日々を重ね、何時しか心が通います。しかし、悪人の古城龍から付き纏われ、これから逃れるため小紅姉妹は陳少平と共に駆け落ちしました。結局、小紅の隠れ家が古城龍らに見つけられ、小雲は妹を守るために抵抗しますが、古城龍らに殺されます。

 映画は上映されてから70年経ちますがその芸術的魅力は今でも衰えておらず、1930年代の中国映画の最高峰と見なされています。ヒロイン小紅を演じた周璇は当時わずか17歳でしたが、彼女の清楚で可憐なキャラクターは多くの観客を魅了しました。特に、小紅が恋人陳少平の二胡の伴奏の下で歌った挿入歌「天涯歌女(天の果ての歌女)」は人々の心を打ちました。彼女のまろやかで潤いがある歌声は「黄金の声(金嗓子)」と称えられます。周璇はこの映画で当時、歌謡界のトップスターの地位を築きました。

     偶 然

 私は空に浮かぶひとつの雲

 偶然君の心にとどまる

 君は驚くことはない

 喜ぶこともない

 瞬く間に君の心から消えてしまうから

 これは名詩人・徐志摩の詩「偶然」です。徐志摩は1930年代中国新詩運動の代表的な詩人で、北京文壇の寵児として多くの作品を発表しました。そして、彼のドラマチックな運命は今も人々の感嘆を誘います。

 1930年代、中国の若者の結婚はほとんど「親の決めた結婚(包弁婚姻)」でした。徐志摩は自由な恋愛を求め、「親の定めた結婚(包弁婚姻)」の束縛から逃れ、才女林徽音や陸小曼との曲折に富む恋愛を繰り広げました。「偶然」は徐志摩の中の代表的な詩作の1つで、「偶然君の心にとどまる 君は驚くことはない 喜ぶこともない 瞬く間に君の心から消えてしまうから」これは恋人と別れた後、心の中の哀愁を描き出し、今でも若者の間で知られる名句です。徐志摩の暮らした1930年代は中国の最も暗い時期であり、詩人の美しい夢は海辺の砂浜の花のようで、瞬く間に枯(か)れてしまいます。彼の詩からは、淡い哀愁が感じ取れます。

青春舞曲

 徐志摩を1930年代の中国詩歌界のトップと言うならば、王洛賓は同じ時期の中国民謡界の王様と言えます。北京师范大学で音楽を専攻した王洛賓は徐志摩と共に自由を芸術の魂と見なし、各地で放浪する生活に憧れます。1937年、26歳の王洛賓は抗日運動に参加するため、故郷の北京を離れて初めて西北部を訪れます。

 若い音楽家は現地の各民族の音楽が混ざりあってできた世界に魅了され、この不思議な土地に定住することを決めました。その後、王洛賓は西北部の民謡をベースに1000曲近い作品を作りました。なかでも「ダバン城の娘」、「青春舞曲」、「アラムハン」などは、中国人なら誰もが歌える名曲です。彼がウイグル族の民謡をアレンジした曲「青春舞曲(青春舞曲)」は、青春は短いという嘆きをユーモアに富んだ歌詞とリズム感のあるメロディーで表現しました。

番組の中でお送りした曲

1曲目~ 天涯歌女(天の果ての歌女)

 この唄は映画「马路天使(街角の天使)」の挿入歌「天涯歌女(天の果ての歌女)」です。周璇の美しい歌声から20世紀30年代の上海に暮らす最下層の人々の喜びと悲しみを味わうことができるでしょう。

歌詞

 天の果て、海の果てまで運命の人を探し

 彼女が歌を歌い、彼が楽器を奏でる

 私たちの心は一つ 一心に困難を引き受ける

2曲目~ 偶然(偶然)

 この歌は徐志摩の詩「偶然」を元に作った歌です。

 私は空に浮かぶひとつの雲

 偶然君の心にとどまる

 君は驚くことはない

 喜ぶこともない

 瞬く間に君の心から消えてしまうから

 君と私は、真夜中の海でめぐり会い

 君には君の、私には私の道がある

 君は覚えていてもいい

 本当は忘れてほしい

 二人が出会った時に、互いから放たれる光を

3曲目~ 青春舞曲(せいしゅんぶきょく)

 この唄は王洛賓がウイグル族の民謡をアレンジした曲で、青春は短いと嘆きをユーモアに富んだ歌詞とリズム感のあるメロディーで表現しました。

 日は落ち 明日はまた昇る 

 花散り 来年また咲く

 綺麗な鳥 飛び立ってしまえば影もない

 青春の鳥も戻らない

 青春の鳥も戻らない

 青春は戻らない 

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