現行の所得税法によりますと、徴税の最低額は2000人民元とされていますが、中国人民大学公共財政研究所の代鵬副所長は、「現在の中国経済のレベルから見ると、この最低額は低すぎる」と述べました。「個人所得税の最低額の制定について、まずは国民の基本収入と生活の支出を考えなければならない。国民の基本的な生活の水準と保障を犠牲にしてはならない」と強調しました。
財政部の関係者も、中国の個人所得税の65%はサラリーマン層が納めており、ほとんどの国より割合が多いと話しています。
また、黄海全国政協委員は、「中国ではここ数年間、税収の成長率が国内総生産の成長率を上回っているだけでなく、中低所得者の収入の成長率をも上回っている。特に現在、所得分配の改革は要所に差し掛かっており、個人の収入に対して調整作用を持つ個人所得税の改革も未曾有の必要性に迫られている」と述べました。一部の政協委員と専門家は、個人所得税の最低額を3000人民元まで引き上げることが可能であると考えており、6つのランクに分けられるとしています。
個人所得税の最低額を引き上げる建言を提起した董正偉弁護士は「最低額を引き上げたとしても国家の税収が減少するわけではない。市民の増加した収入は必ず消費に転換され、商品やサービスの取引の中で新しい税収に変わるだろう」と述べました。
中国が三年ぶりに個人所得税の最低額を引き上げようとする試みについて、新華社は時事評論を発表し高く評価しました。この評論は、「目下の物価高騰という背景において、個人所得税の最低額の引き上げは国民にとって非常に有利な措置だ。具体的な方案は現在のところ発表されていないが、より多くの中低所得者が納税免除となることは確かだ」との考えを示しています。
評論家は、個人所得税の改革によって、中国の今後五年間における所得分配の改革の幕が開かれると指摘しました。(翻訳:牟ケン チェック:中原)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |