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リビアから中国人救出、国力増強の表れ

2011-03-03 21:51:21     cri    

 北京時間3月2日夜までに、帰国を申し込んだ中国人、合わせて3万5860人がすべて救出されました。これは中華人民共和国にとり「建国以来最大規模」の海外での自国民救出活動となります。

 2月16日、リビアの治安状況が重大局面に陥って以来、各国は自国民をリビアから引き揚げるようになりました。

 中国は自国民の救出においていくつかの困難に直面していました。まず、帰国願望のある人が多く、しかも救出時間が短いこと。10日間以内に3万人以上を安全かつ秩序をもった救出をすることは未曾有のことです。また、救出しようとする人が離れた場所にいること。中国人がリビアのあちこちに散在しており、一部中国系プロジェクトのキャンプは砂漠の奥にあり、これらの人々を安全に集めることは一大事です。さらに、リビアの状況が複雑なこと。リビアは混乱状態にあり、交通機関や公共施設がほとんど麻痺状態に陥っています。

 今回の救出活動にあたっては民間航空機や船舶、長距離バスなど様々な手段がとられ、さらに、軍用機や軍艦も用いられました。これは経済力がなければできないことです。

 1990年代から、中国外務省は領事保護に関するメカニズムの構築に取り組みはじめました。ここ数年、中国政府は「外交は国民のため、国民を元とする外交」という理念を念頭に、最大の努力を払って海外にいる国民の利益を保護しています。このメカニズムによって、海外にいる中国人が危機に直面した場合、外交、空運、海運、華僑関連事務などの担当部門が歩調をあわせて、速やかに救出活動を進めることができます。

 今回の救出活動で、ギリシャ、エジプト、チュニジア、マルタ、トルコなどの周辺国家から、通関手続きや大型フェリーのレンタル、宿泊ホテルの提供、大型旅客機の離発着など多方面にわたる支援が得られました。宋涛外務次官は「関係する国家は中国の救出活動に様々な便宜と協力を提供してくれた」として、「中国も可能な限り12の国の約2100人を助けた」と述べました。

 今回の救出活動は中国政府が命を尊重し、人権を重視していることの表れでもあります。あるリビアから救出された人は政府の速やかな救出活動によって「中国人としての尊厳と中国人の団結力を感じた」と話しました。

 外務省は25日、リビアに滞在する日本人に同国からの退避を勧告する危険情報を出した。同省によると、リビアの在留邦人は23人で、このうち4人が出国に向けて待機中。7人は首都トリポリから離れた場所におり、混乱の中で足止めを余儀なくされている。

 政府はチャーター機やチャーター船を手配するなどして、邦人の出国を支援する方針だ。 

 中国外務省は3日までに、これまでに把握できたリビア滞在者で帰国を希望する中国人約3万5860人がリビアを離れたと発表した。「建国以来最大規模」の海外での自国民救出活動だったという。

 リビア脱出者のうち2万人超が帰国、そのほかは第三国に避難した。中国は今回、自国民保護のために初めて海軍のフリゲート艦、空軍の輸送機を海外に派遣。「中国人救出が目的で、メディアはいろいろ分析すべきでない」(外務省報道官)と国際社会の懸念に気を使う場面もあった。

 リビアの混乱では、略奪などで被害を受けた中国国有企業もある。中国メディアは、無事に帰国した中国人労働者らの喜びの声を大々的に報道。救出成功を通じ国威発揚を図る狙いもありそうだ。

 内戦状態のリビアから中国が自国民を迅速に避難させたことを挙げ、「中国政府が命を尊重し、人権を重視していることの表れだ」と説明。「中国は国連の人権分野での対策に積極的に参加し、各国と協力して調和の取れた世界の実現に貢献したい」と述べた。

 中国がギリシャで手配した、在リビア国民救出のための最後のフェリーが2日、ギリシャ・クレタ島に到着した。乗っていた中国関係者は2100人。混乱が続くリビアから、これまでに1万人以上がフェリーや貨物船でクレタ島に脱出した。(翻訳:ヒガシ)

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