モスクワを訪問している中国の胡錦涛国家主席が17日、ロシアのメドベージェフ大統領と会談しました。両首脳は政治、経済、科学技術、文化などでの交流と協力、それに重大な地域・国際問題の対応での連携強化を確認しあいました。
現地時間17日午後、胡錦涛主席とメドベージェフ大統領は2時間にわたる会談の後、天然ガス・石炭の協力覚書や両国銀行間の貸付に関する協定など、多くの合意文書に調印しました。その後の記者会見で、両首脳は、戦略的協力関係の発展と今回の会談の成果を高く評価しました。その中で、メドベージェフ大統領は「胡錦涛主席をはじめとする中国訪問団との会談は、友好、相互信頼かつ建設的な雰囲気の中で行われた。ロシアと中国の国交60周年にあたり、我々は、関係発展のために具体的な任務と方向を決めた」と述べています。
今年は、中国とロシアの国交樹立60周年に当たり、両首脳は、会談でこの60年の関係発展について話し合いました。胡錦涛主席は、その経験を4点にまとめ、「政治関係を深めていくためには、互いに信頼しあい、誠実に付き合うこと。協力を通じて共栄を実現するには、互いに尊重しあい、平等・互恵を求めること。自分の根本的な利益を確保するには、互いに理解し支えあい、相手の中心的な利益にかかわる問題で支持しあうこと。そして、両国関係の長く安定した発展のために、互いの違いを認め合いながら同じ道を求め、仲良く話し合うことが必要だ」と語っています。
胡錦涛主席は、さらに「中国の外交では、ロシアとの戦略的協力が重要で、それを推進することは過去も将来も変わらない方針である。中国とロシアは国情が違うため、一部の問題について意見の食い違いがあるのは当然のことである。そういった問題の処理で、両国関係の全体的な成り行きを考えることが必要である」と述べました。
この日の会談で、両首脳は、当面、経済やエネルギーなどでの協力のほか、国際問題での連携も強めるべきだと意見が一致しました。会談後の記者会見で、胡錦涛主席は、「国際問題への対応で、中国とロシアの連携が成果を上げている。我々両国は、国連、上海協力機構などの国際機関の枠内で連携を強化し、この地域さらには世界の平和と安定をともに維持していきたい」と述べています。(鵬・吉田)