フィギュアスケートの四大陸選手権が先週、韓国の高陽で行われ、14日には、ペアのフリーがありました。ここで、ショートプログラム2位だった中国のホウ清・トウ健組がフリーで1位となり、合計187.33点で、見事優勝を果たしました。
ホウ清・トウ健組が注目されたのは、2006年世界フィギュアスケート選手権で、当時、成長株として期待されていた張タン、張浩ペアを破って、優勝したときです。彼らにとって、この大会が初めての世界大会優勝となりました。ところが、彼らは、そうとんとん拍子にはいかなかった、2006年9月、ホウ清が体調を崩し、腎炎と診断されました。続いて、年末には、二人が、北京で交通事故に巻き込まれ、トウ健が大ケガをしてしまいました。これらの予想外の出来事は彼らの練習や強化計画に大きな影響を及ぼしました。
2007年のユニバーシアード冬季大会と冬季アジア大会・・この2つの大きな大会では、満足いく成績とは程遠い結果となりました。去年末、長春で行われた全国フィギュアスケートでも、二人はミスを連発。演技後、ホウ清が悔し涙を見せるということもありました。
二人にとって転機となったのは、今年行われた第11回全国冬季スポーツ大会でした。ショートプログラムで完璧な演技と難易度高いのジャンプ、スピンを披露し、ショートプログラムの一位を獲得しました。フリーでは、残念ながら、張タン、張浩ペアに敗れ、総合成績では後塵を拝したんですが、このSPでの勝利は彼らにとって、大きな自信となりました。トウ健は「とてもうれしいです。これまでの低迷は、迷いから生まれたものだと思います。今大会はそういう意味で、自信につながるものになりました。」と語ってくれました。
いろいろあったけど、ホウ清・トウ健の心境がますます穏やかになってきた。ここ二年間大変だった日々を振り返ってみると、二人はひとことも文句も言っていない。彼らにとって、この前の経験があったからこそ、今の自分があると見ています。ホウ清は「これは人生の中で、もう一度やってきた成長期だと思っています。いろいろと大変なことがありましたが、これらの挫折を乗り越えたことは、私たちにとってプラスとなったんだって、今は積極的に捉えています。」と語りました。
申雪、趙宏博という、偉大な先輩が引退した今、中国フィギュアを支える存在として、ホウ清・トウ健という、この二人にかかる期待というのはますます大きくなってくる・・これは間違いありませんね。彼らはもう一組の張タン、張浩ペアと共に、中国のフィギュアスケートのために、より高い成績を目指し、また若い選手たちの見本となっていかなければなりません。トウ健は「年齢とキャリアから言えば、私たちには責任があると思っています。私たちより、若い選手が成長して、私たちもさらに努力して、彼らの目標にならなければなりません。そして結果的に、中国のペア、男女シングル、アイスダンス、全てにおいて、世界の一流レベルに達することが目標です。」と述べました。
そして何と言っても彼らにとっては、オリンピックという大きな目標があります。バンクーバーでの冬季オリンピックまで、あと2年です。ホウ清・トウ健組は世界フィギュアは制したものの、オリンピックのメダルは獲得したことがまだありません。ホウ清・トウ健は既にオリンピックを視野において、強化を始めています。その目標についてホウ清は「私たちの目標は金メダルです!」と熱く燃えています。
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