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大学一年目の冬休み、故郷に帰って、春節を過ごした。
家族や親戚の中に私のように日本語を専攻する人はいなかったから、どうしてよりによって日本語を専攻するのかについてはなかなか理解できない人が多い。ときどき、両親まで「専攻を変えたらどう?」という話を持ちかけてきたことがある。そのせいか、日本語の道を選んだ自分はよく寂しい思いをした。ところが、この春節、あるきっかけで私は家族からの理解と支持を得られるようになった。
大晦日、おじさんが新しく買った車を見に行った。故郷に帰る前、おじさんから新しい車を買ったという電話をもらった。彼の顔を見なくても、電話の向こう側から伝わる興奮をありありと感じた。
「立派な車ですね。」と、おじさんの車を見て、思わず羨ましさを隠せなかった。
「だろう?外見もいいし性能もいい、いかにもおじさんのスタイルだろう。」とおじさんは自慢げに言った。
「おじさん、この車の原産地はどこですか。」と私は聞いた。
「日本。」
「へえ、そうなの?ほら、私みたいな、日本語を勉強する者がいないと、日本の自動車産業の中国での発展はありえないでしょう。おじさんもこんな立派な車を手に入れることはできませんよね」と私は言った。おじさんは私の話を聞いて、沈黙した。
それから、私は部屋に入った。ちょうど母とおばさんたちが話に花を咲かせているところだった。
「おばさんたち、しばらく会っていないうちに、またきれいになったんですね。」と私は言った。
「まあ、この子、相変わらず口がうまいね。」とおばさんたちは恥ずかしげに言いながらも、満面に微笑みをたたえていた。
「本当です。お世辞じゃないんですよ。おばさんたちはどんなスキンケアをしていますか。」と私はさらに聞いた。
「最近、日本と韓国の化粧品が大好評でね、で、私たちも試してみたんだけど、まさか本当に効果が出てくるとは思わなかったのよ。」と一番年上のおばさんが答えた。
「なるほど・ねえ、おばさん、もし日本語や韓国語の翻訳者がいないと、これらの化粧品の輸入もありえないし、おばさんたちもそう簡単に買えないでしょう。」と私が言った。
すると、おばさんたちもみんな沈黙に陥ってしまった。
そのことがきっかけで、家族はだんだん私が日本語を専門としたことを理解してくれるようになった。
まだ一大学生として、中日関係の未来はどうなるかについては何とも言えないが、今回のことで、両国の経済発展がいかに国民の認識に影響を与えているかを身にしみて感じた。
経済の発展は供給と需要という二つの側面からなっている。つまり、両方とも相手の何らかの需要に応えてはじめて双方の協力関係または経済的互恵関係が成り立つのである。
このような経済的な関係があるからこそ、両国の国民は相手国から自国では手に入らない商品も買え、便利な生活を送っていられる。政治家はともかくとして、国民としては、両国の平和を願ってやまないだろう。
私の印象では、以前両国の関係をよく理解できなかった私の家族と同じような人々が、中日双方にまだまだ多いようだ。そのため、両国の経済的協力関係を基盤として、国民全体、特に若者への教育、また相互の知的交流を促進するのは中日の明るい未来への確実な道ではないかと思う。
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