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5月5日 金曜日

2017-05-05 20:38:48     cri    

1時間目:世界無形文化遺産めぐり、篆刻

 篆刻とは、印章を作成することです。中国を起源としており、主に篆書を印文に彫ることから篆刻といいますが、その他の書体や図案の場合もあります。また銅・金などの金属を鋳造して印章を作成する場合も篆刻ともいい、書と彫刻が結合した工芸美術としての一面も強く、文人の余技でもありました。

 この篆刻作品は書画の落款(サイン)として用いられることが多いのですが、押捺した印影自体は独立した作品であり、印影を集めた作品集は印譜と呼ばれています。

 この中国の篆刻は、2009年、中国書道と共に世界無形文化遺産に指定されました。

 では、中国の篆刻史を紹介しましょう。

 中国において篆刻史はすなわち印章の歴史です。古くは三代(夏・殷・周)に起源があるとする説もあります。

 秦の始皇帝の時代には印章制度(印制)が整い、印章は辞令の証としての役割を持つようになります。皇帝の用いる印を璽、官吏や一般用は印と呼ぶようになりました。これに加え、漢代には将軍の印を章と呼ぶようになりました。印章の材質やサイズ・形などで階級や役職を表すようになったのです。

 隋が中国を統一するといよいよ紙の使用が一般的となり、印章は封泥から紙に捺して使うようになりました。

 宋代になると不正を防ぐ目的で官印には九畳篆と呼ばれる独特のくねくねと折り曲がる書体が用いられ、清の時代まで続きました。

 元代には支配民族であるモンゴル族などが漢字を知らないことから花押印が多く用いられました。元末の王冕は花乳石(青田石の一種)という柔らかい石を印材に用いました。これは1つの発明であり、明代に文人の間に篆刻芸術が広まる最大の功績となりました。

 明代中期の文彭はもっとも傑出した篆刻家です。文彭は篆刻に生涯を傾け、漢印の研究を行ってその作風にとり入れ篆刻の発展に尽くしました。それまで職人に頼って象牙などに刻させていましたが、偶然手に入れた石の印材に自ら刻した後は、二度と他の印材は用いなかったとい言います。この逸話が他の文人にも伝わり、石印による篆刻が一気に広まったのです。

 その材料、印材をみてみましょう。

 中国では主な印材は石ですが、金属、竹、骨、牙、角、植物の種子等も用いられます。印材とされる鉱物は葉臘石が一般的です。これは比較的柔らかい鉱物であり、特別の技術を要さず容易に加工ができます。

 中国では、多くの博物館に、書画や篆刻、印章の展示コーナーがあります。是非、中国各地の博物館を訪れた時に、そのコーナーを探してみてください。

2時間目:浙江省の湖州市の観光スポットとグルメ

 この時間は、清の時代末期の著名な書道家、画家、篆刻家である呉昌碩の出身地、浙江省の湖州市を紹介します。現地の有名な観光地、南潯古鎮、莫干山、太湖風景区にスポットを当てる他、現地の有名なグルメとして、羊肉の燻製、B級グルメの湖州大ワンタン、丁蓮芳千張包子、諸老大粽子を取り上げます。

 皆さん、悠久な歴史と文化の香りに包まれる浙江省湖州市にお出かけくださいね。(まとめ:任春生)

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